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仕事の進め方
仕事を上手に進めるには、まず仕事の全体像を把握することが必要である。目先の細々とした事にとらわれると大事なことを見落としてしまう。そのために全体像を把握して仕事の段取りを組立てる。
次にその仕事の目的や目標を明確にしてリストアップする。こうすることで仕事の重要度を認識し優先順位をつけて仕事に取り掛かることができる。
またそれぞれの業務の期限を明確にしておくことも大事である。期限がなければ自分の気分次第で行われ、チームで取り組む仕事では足並みが揃わず業務の質と共に士気の低下が生ずる。期限の遅延は顧客に迷惑をかけると共に自らの信頼を失う。
自分ひとりで仕事を進める場合でも想定外の事象が生ずれば着地点が分からなくなる。そのために予め仕事の進め方を整理しておけば、外れた軌道を修正し再びゴールを目指すことができる。チームで仕事をするときは仕事の進め方のロードマップは更に重要になる。個人が勝手な方向に進めたらチーム全体として大きな無駄を生ずる。
自分の仕事の結果は仲間、上司、顧客に影響を及ぼすので、常に周りと情報を共有し、報告、連絡、相談を行う必要がある。当初目論んだ状況に変わりはないか、計画に遅れはないかなど常時連絡を取り合う。
社会人になり仕事に就けばこのような仕事の進め方に接する機会は多い。そして仕事の結果を方向付ける重要なポイントが「目標の明確化」である。
企業では同業他社と比較して自社の売上高をいくらにするかが最初の目標になる。その売上高目標を達成するために企画、設計、製造、販売等各部門が個別の目標を設定する。各部門の意識が統一されて企業の目標が効率よく達成される。売上高は決算書に表れるので、年毎に目標のレベルと結果としての実績が確認される。
管理サイクルともいわれているP(計画)D(実行)C(評価)A(改善)を繰り返し回すことも仕事を効率よく進める方法の一つである。個人、チーム、部門、企業がこのサイクルを回すことで夫々が成長してゆく。
設定基準の危うさ
このような仕事の進め方は業種を問わず共通した内容である。企業活動ではムリ、ムダ、ムラをなるべく排除し、企業利益を最優先した合理的な考え方が取り入れられる。
永年社会で合理的な思考と行動を実践すれば、日常生活でも合理的な思考に基づき行動しがちである。言い換えれば合理的な思考に基づいてライフプランを立てようとする。
学生から社会人になる際いきなり起業する者は少数派であり、多くはサラリーマンとして会社に勤めるだろう。それでは合理的に勤務先を選ぼうとすればどうなるだろう。
大手人材広告企業情報を参考に文系、理系毎人気ランキングを参考にするだろうか。もしくは自らが学生時代に専攻した分野と関連する企業を選ぶかもしれない。
さらに選定要件を細かく年収基準、福利厚生、残業時間などを設定して企業を選ぶかもしれない。そして収入は多く福利厚生は厚く残業が少ない企業が選ばれるとしたら、何をやりたくて就職するか分からない。
養育費用の基準として幼稚園小中高大学の公立と私立の教育費表を見たことがあるだろうか。公立は比較的安く私立は高く、幼稚園から大学まで全て公立と全て私立の差は1,400万円を越える。お金に余裕があれば私立に通わせ、お金がなければ公立にしか通わせられないようにも見える。子供が私立通学者の親はお金において勝組である証のようだ。
子供を私立に通わせたいので、母親はパートから正社員に変わり父親は収入基準で勤務先を選択する。第一子に多くのお金をかけ過ぎたために第二子以降にそのしわ寄せが及ぶこともある。
人生でまとまったお金が一時に発生する買い物として住宅がある。これまた人気ランキングを下に住宅メーカーを選択するのだろうか。そして購入者の口コミを参考に住宅メーカーを絞ろうとする。
もしくは住宅メーカーごとの単位面積当たりの単価が最も低いメーカーを選定するのだろうか。基本料金は安くてもオプションを追加したら他メーカーとほとんど変わらないという話もある。
ライフイベントを考える際他に多くのお金を必要とするものとして、自動車購入、保障準備、老後生活、医療・介護準備等がある。インターネット上にはランキングや平均値といわれるものは数多く公表されている。これらを参考にするのが果たして合理的な基準選定といえるだろうか。
満足基準のライフプラン
企業には寿命はなく営利法人であれば利益を出し続けて株主、取引先、従業員、行政等と関係を継続しなければならない。企業が存続するために多くの知恵を出し合い合理的な判断がなされる。企業が苦境に陥った際には思いやりや温かさが感じられない場合もある。
ところが人には寿命があり合理的な考えを持ちながら、感情を優先して行動する。違法な行為と分かっていてもその時の感情から違法行為を繰り返すこともある。頭でどんなに分かっていても人の行動は主として感情に左右され場当たり的である。
どの調査会社の就職希望ランキング上位であっても入社して間もなく退職する者はいる。入社する前に描いていたことと入社後感じたギャップから退職したと思われる。
どんなに人気ランキングが高く多くの人が購入している住宅でも、家は3度建てないと満足できないといわれる。住宅を建てたときは子供の数だけ部屋を作ったが、やがて子供は独立し空き部屋になり、現在使用する部屋は半分程度である。
幼稚園から大学までオール私立で教育を受けた子供は多くのお金を注がれ立派な成人を目指したはずなのに、子離れできない親のせいで自立心の欠けた子供のままである。
個人のライフプランの基準に世の中のランキングや平均値を使用することは危険である。決して鵜呑みにはしないといっても参考にし、やがて自分の中の基準となる。
これらの値が個人に合理的な基準値を与えようとするのかどうかは分からないが、所詮他人の感覚から生まれた推奨値である。他人の感覚で自分が満足できるとは思えない。他人と自分は異なるので自分なりの基準に沿わないと満足できない。
自分が満足するのは主に自身の欲求が満たされた場合である。価格が高かろうが安かろうが関係なくその時点の欲求が満たされないと満足できない。
欲求には生理的欲求、安全欲求、社会的欲求、尊厳欲求、自己実現欲求の5段階があり、低次の欲求が満たされると高次の欲求に推移する。平たく言うならば腹が充たされれば次に持家が欲しくなり、そして仲間を求め、肩書きが欲しくなり、最後にやりがいを求める。
養育はどこで学ばせるかではなくどんな子に育てたいかであり、住宅は間取りと設備と外観ではなく住宅で家族が何をするかを考え目的を設定したほうが、おそらく満足が得られるだろう。
お金は目的を達成するための手段の道具であるので、お金を基準に目標を立てると満足の得られない結果になることがある。
長野日報土曜コラム 平成31年4月27日掲載
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