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長野日報新聞「土曜コラム」に掲載中のコラムです。ぜひお読み下さい。
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令和元年からのコラム
平成31年
137 お金の悩ましさ
138 良い人生の要件
139 クレジットカード
140 きれい好きは弱点
141 怒りのコントロール
142 成りたい自分に成る
143 早期退職を防止する
144 厄払いの効果
145 損をするのは嫌だから
146 お金をかけずに幸せになる
147 相続財産の使途
148 ライフプランが実行できない
昨年と同じ今年の目標
年の瀬が近づくと今年一年を振り返る。手帳に記録した今年の目標のうちいくつが実行できただろうか。毎年同じ目標が記録されるのを見ると、そろそろ目標を変更したくなる。
それでも毎年上げるのは将来必要になることが分かっているので目標に上げている。健康診断で指摘された項目に体重を落とすための食事制限とトレーニングジムでの運動。分かっちゃいるけど長続きはせず、次回の健康診断が怖い。
また無駄遣いをやめて貯蓄に励もうという目標も気付いてみれば掛け声倒れになっている。そもそも貯蓄目標金額が大きすぎたのかもしれない。もっとできる範囲で金額を設定すればよかったが、それでは住宅、養育、老後の計画に支障をきたす。
目標の設定は必要性を感じているから行うわけだが、行動をサポートするシステムを組み込まなければ気合に任せることになる。気合は瞬間的には強い意志が働いて行動を促すが継続は難しい。
お金を貯めるには節約して残ったお金を貯めようとしても貯まらない。先に貯めるお金を確保して残りで生活を遣り繰りするような順序を変えなければならない。
給与天引きか給与振込口座から自動的にお金が引き出されるリレー積立を利用する。初めは窮屈さを感じるかもしれないが、どうしても資金不足になったらいつでも降ろせるようにしておく。このようなルールがあれば心理的に追い詰められることが薄れる。
やがて積立からお金を下ろすことに気が引けたり、億劫になれば簡単に引き出されない。そうすればいつの間にかお金が貯まっているシステムが出来上がる。簡単なことだが心理的効果は継続行為に大きな影響を及ぼす。
さらに貯蓄に加速させるならば積立投信など変動するものに投資すれば残高は貯蓄を上回る可能性が高まる。投資信託や株式など変動するものに投資すれば資産の増減はあるが、同時に資産が減少する際は多くの買い行為が行われるので、心理的均衡が図られる。
目標設定の際心理的ストレスを抑制することを考慮しないと継続は難しい。
こだわりは邪魔者
生活設計で3大資金といえば住宅、養育、老後資金である。この3つで生涯賃金の半分を費やすことになるだろう。発生する費用の順序としても住宅、養育そして老後資金になるだろう。
現在の住宅ローン金利は35年固定では1.3%、変動金利では0.43%程度である。他の融資金利に比べ決して高い金利ではないが、1,000万円の借入で1%は10万円に相当する。当然元本の返済もあるので借入額を抑えられれば借入金利及び返済額が減少する。
周りの人全てが住宅は3,000万円くらい発生し全額借入れしていると考えるのは勝手な思い込みだろう。名の知れた有名ブランドメーカーでは更に割高になる。ローコスト住宅は自分のプライドから許せないものがある。
一生に一度のことであり、住宅取得は男の甲斐性だから多少背伸びをしても成し遂げるべきものというのか。多少高くとも月々の返済額にすれば僅かであるので、これから頑張れば何とでもなる。未来の自分に期待をして欲しい。
ここまで言われれば、大器晩成型のあなたの未来に賭けることにするわ(そう願いたい)。俺はやるときにはやる、とくに切羽詰ったときには大きな力を発揮する、火事場の馬鹿力を持っている。でも裏切られた後のつけは大きい。
こだわりは趣味や道楽に表れやすい。中古車を購入してはカスタムカーに仕立てる人もいれば、自分の乗る車は常に一つの車種に限定する人もいる。初めは便利で快適だったものが、いつしか自分の存在そのものになっている。こうなればどんなことがあっても譲れない、何よりも最優先になる。
こだわりを持った人はその分野において視野が狭く、受容力が小さく、融通が利かない。一途であるといえば美しく聞こえるが、他を検討することが面倒くさく、多面的な視野を持とうとしないだけかもしれない。
住宅、養育、老後資金として各3,000万円だからざっと1億円が必要である。老後の生活に月あたり35万円かかり支給される年金は22万円だから13万円不足する。退職金を取り崩しても月あたり3万円ほど不足する。
世の中で当たり前のようにいわれていることだが、真に受けて良いものだろうか。本当は我家ではどうだろうかと検討することが面倒なので世の中のつぶやきを信用する。柔軟に多面的に考えられれば答えは変わってくる。そうすれば費やすお金も変わってくる。
計画を繰り返し眺める
かつてライフプランを作成された方と久しぶりに話す機会があった。その後計画は順調に進んでいるか尋ねたところ、子供は2人のところが3人目がお腹にいて、主人は転勤で単身赴任状態であった。当時想定していたことが大きく変化していた。
住宅メーカーに勤務していたので、勤務先で新築を予定していたが、中古住宅を取得してリノベーションをして現在居住している。勤務先での新築は外せないと思っていたが、勤務先と相談の結果このようになったという。
夫婦で十分多角的に検討し想定外事象にも対応しながら計画を実行している姿が思い浮かぶ。先入観やこだわりに左右されることなく、本当に達成したいことを追及したようだ。話をしているうちに計画を成し遂げた自信のせいか一回り大きくなったような気がした。
当時ライフプランはEXCELで作成しデータの入れ替えを容易にし、何通りでもライフプランを作成できるようにした。何度もシミュレーションを行い最適の計画を作成したと思われる。
仕事であれば目標に対して考えられる事象、リスク、効果、費用を検討し最適案を作成するが、個人の計画になると習慣、こだわり、思い込み等により柔軟に多角的な検討がされずに実行されることがある。
そして想定外の事象に合うと簡単に計画を諦めてしまう。もしくはパニックに陥り身動きが取れない状態になる。傍からみれば十分想定しうる事象だからパニックになるのは理解し難い。
計画の選定を安易に短期間で決定しないほうが良さそうだ。その時は最適でこれ以上はないと思っても、時間が経てば見方や考え方が変わってくるものだ。
すると今まで思いも付かなかったアイデアが浮かぶことがある。特にこだわりの原因が自分の独りよがりと自ら気付いた時は変更しやすい。他人から独りよがりと指摘された場合は素直にはなれない。
大抵の場合簡単に作った計画がいつまでも実行の基になっていることがある。計画そのものを見直しより実践的なものに仕立てるには繰り返し計画を眺め、判断の基を振り返ると新たな計画が生まれてくる。
人生100年時代を迎えフェードアウトは先送りされそうなので、新たな計画を立てる必要性が高まってきた。
長野日報土曜コラム 平成30年12月22日掲載
有限会社テヅカプラニング 手塚英雄
148 ライフプランが実行できない
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