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長野日報新聞「土曜コラム」に掲載中のコラムです。ぜひお読み下さい。
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平成30年
令和元年からのコラム
平成31年
77. 仕事は要領
78. 仕事はいきがい
79. 仕事だからしょうがない
80. いい職場にしよう
81. 職場の人間関係
82. 上司とうまく付き合う
83. いっそ起業する
84. 企業は易い継続は難し
85. 良い人だけでは残れない
86. 種の保存
87. 子は親の鏡
88. 兄弟は他人の始まり
89. 物より思い出
平成25年
82 上司とうまく付き合う
上司によって人生が変わる
職場に配属されれば、おそらくそこには上司がいるだろう。上司から仕事の進め方が指導される。上司は職場において先生である。
上司の中にはできる上司がいれば出来ない上司もいる。直属の上司は部下の人事評価や査定を行なう。査定結果に応じて今後の業務が決定される。それは給与、賞与等だけでなく、今後の昇進機会に大きく影響することになる。
できる上司の下で良い人間関係が結ばれれば、人生の師と仰ぐことにもなる。精神的にも経済的にも豊かになる可能性が大きい。
一方、できない上司の下では、会社においてチームそのものが相対的に低い評価となる。更に不満を感じた状態では十分な成果を出すことも難しくなる。月日の経過に連れ同期との差は開くばかりである。
直属の上司によって自分の人生が大きく左右されることになる。
部下は上司を選択できないので、どんな上司の下に配属されるかは運とか縁に似たものがある。
良き実務者は良い管理者とは限らない
実務者で経験を重ね、ある程度の年齢に達すれば管理者としてチームを任されることになる。管理者になれば部下の育成が新たな仕事として加わることになる。
更に上位の役職に就く者もいれば、しばらく現状のままで停滞する者もいる。管理者になる際わずかな時間の研修が行なわれる場合があるが、研修だけで誰もが良き管理者には成れるわけではない。
実務で結果を出した者は、とかくその経験を部下に教えようとする。現場での経験は重要なノウハウであるが、いつにおいてもまた誰においてもそのノウハウが通用するとは限らない。時代や人に応じて考え方や方法も変えなければならない。
管理者には部下の育成とチームの業務達成のマネジメントが求められている。実務者としては経験豊富でも管理者としては初心者かもしれない。管理者は部下を通じて業務をこなすので、実務者以上にコミュニケーション力が求められる。
管理者として新たに学ぶことが多くある。新たな役職に就いた者は管理者としての伸びしろに期待され任されたのだと思う。
無能な上司には期待しないが、見下してもいけない
部下からみれば上司は経験豊富であり仕事も自分よりできるので、つい管理者としても十分な能力があると思ってしまう。困ったことがあり上司に相談すれば全て解決されると大きな期待をかけてしまう。
しかし、年功序列に従い勤続年数が多いだけでチームを任された場合もある。実務者として有能でも管理者としては未熟な上司がいる。
部下自身も職場での経験を重ねると、上司の実像が次第に見えてくる。更に上に行く上司の下では全幅の信頼を寄せられるだろうが、このような上司にめぐり合う機会は少ないだろう。会社である程度の経験を積めば多くの者が管理職になるが、更に上にいける者は限られる。多くの管理者はミドルクラスで停滞することになる。
上に行く上司より停滞する上司のほうが圧倒的に多い。中でも新たなスキルを身に付けない管理者を上司に持った部下は苦労するだろう。上司の思い付きに振り回されたり、期限が近づいたところで、初めて指示されたり、責任は押し付けられるが権限は与えられなかったりではやりきれない毎日が続く。
このストレスの原因は上司ならこのくらいのことはしてくれるだろう、あらかじめ準備をしておいてくれるだろうという期待をするから生じるのである。最初から期待しなければストレスに感ずることはないかもしれない。上司は完全な管理者ではなく、強みも弱みも持った人間であると受け止められれば、ストレスは減少し新たな親しみが湧いてくる。
上司の弱み、欠点ばかりに注目すれば、上司なのに何故こんなことすらしてくれないのかと不満を覚える。その不満はやがて上司を見下すことになりかねない。
部下から見下される上司自身が新たなストレスを感じると共に、傍から見ている者は上司を見下している部下に共感もなければ好感も抱かない。互いに同類とみなされ、上辺では同情しても、なるべく関わらないようにするだろう。
直属の上司ができないからといって、上司の上司に直接掛け合うことは好ましくない。組織の情報伝達上ルール違反であり、チームにこの上司を選択したのは他ならぬ上司の上司であるから、正面からの直談判は上司の上司の考えを否定するものであるから、聞き入れられることはほとんどない。
上司は上司、部下は部下
できない上司の下で働く部下には苦労が伴う。楽して業績を上げる同期をうらやましく思うより、ここは与えられた試練と捉え、自分が成長するためのハードルと受け止めてはどうだろう。
上司が管理者であり実務者である場合は、得られた業績を奪い合うライバルになる。業績を上司に奪われたと考えるより、欲しいならば持っていけくらいの気持ちを持とう。
指示を出すタイミングが遅いならば、上司が出席するミーティングに同席させてもらうとか、議事録があればチームで共有するなどして、上司のところで情報が滞留させない工夫も必要だ。
上司の弱点を部下自身およびチームで認識して、支えることを考える必要がある。何故できないのかと繰り返すと、次第に相手を追い詰めるので、どうしたら個人やチームが力を発揮できるかアイデアを出し合うのである。
部下から論理的な説得・説明で言い寄られるのは、上司としてプライドが傷ついてしまう。部下は常に相談という形で上司に投げかける。そうすれば上司の意思に沿って業務の展開が図れるので、互いに納得が得られる。
どうして部下である自分がそこまで気を回さなければならないのか、同じチームにいるのに面倒くさいと感ずるかもしれない。しかし、この矛盾とも思えるハードルを客観的に受け止められ対処できるのが自身の成長につながると思う。
他人を変えることは自分を変えることより10倍難しいといわれる。自分を変えることで日々のストレスが減少し業績があがるならば、そのほうがいいじゃないか。周りの者は本人の苦労と努力を見ているものだ。
今にしてみれば
かつての職場で上司と衝突したことがある。顧客のため会社のためを第一優先に考え、チームで取組んでいたことを疎かにしていたかもしれない。
実務者の意見によれば、すでに結果が予想できて次のステップにかかろうとしていたところ、直属の上司が時期尚早と判断された。直属の上司だけを納得させるために新たな実験を行いデータを基に説明した。そのため当初の予定より大分遅れてしまい、関連部署に迷惑をかけたことがある。
自分なりに日程を意識して業務を進めていたところ、上司の思いつきで業務の進度が変わるのは耐えられなかった。自分なりにマネジメントを学んでいたので、頭でっかちで生意気な部下だったと思う。
このようなくい違いの出来事は日頃から自分の意見を譲らず、相手の真意を受け止められなかったからだと思う。今で言う性格の不一致であり、相性が悪かったのかもしれない。
少なくとも部下である自分は上司をたてることもせず、正論だけをかざしていた自分が恥ずかしい。正論といいながら衝動で行動していたかもしれない。もう少し大人らしく立ち振る舞っていたら、その後の人生は変わっていたかもしれない。
長野日報土曜コラム平成25年6月22日掲載
有限会社テヅカプラニング 手塚英雄
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