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長野日報新聞「土曜コラム」に掲載中のコラムです。ぜひお読み下さい。
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令和元年からのコラム
平成31年
77. 仕事は要領
78. 仕事はいきがい
79. 仕事だからしょうがない
80. いい職場にしよう
81. 職場の人間関係
82. 上司とうまく付き合う
83. いっそ起業する
84. 企業は易い継続は難し
85. 良い人だけでは残れない
86. 種の保存
87. 子は親の鏡
88. 兄弟は他人の始まり
89. 物より思い出
平成25年
88 兄弟は他人の始まり
弟は兄の後を追う
同じ親の元で産まれた兄弟は両親の遺伝子を受け継いでいるので、似ていて当然である。ところが一般的に兄はおっとりとした性格で物欲はさほどないといわれる。一方弟はやんちゃで甘えん坊な性格が多いといわれている。
親から「お兄ちゃんだから」と言われ続け、欲求を自らコントロールするようになったのだろうか。弟にしてみれば、いつも兄からのお下がりで新しいものはほとんどない。小学校の入学式の写真を見たら兄と同じ服で写っていることはよくある話である。同じ親、同じ家庭で育っても、わずかな環境の違いがそれぞれの性格の差になって現れてくるようだ。
兄弟共に同じ運動をし学校に通うこともよくある。親がかつて野球をしていれば子供たちに野球を教えることがある。経験者ゆえにコツを知っている。兄だけでなく弟にもその影響は及ぶ。弟は兄の仲間に混じってボールを追いかけても身体の大きさは兄には及ばないのでその分頑張るかもしれない。
喧嘩をしても力ではとても兄には敵わない。早く兄に追いつきたいと頑張れば、いつしか兄を超えていることがある。スポーツの世界では兄弟で同じスポーツをしていても弟のほうが優秀な成績を残しているケースがある。
プロ野球では元ヤンキースの松井選手やイチロー選手には兄がいた。フィギュアスケートの浅田選手には姉がいる。他にもゴルフ界には尾崎三兄弟、ボクシングでは亀田三兄弟がいる。芸能や音楽関係にも兄弟姉妹は数多い。ジャクソン5、カーペンターズ、ビージーズなど容易に浮かんでくる。そう言えば叶姉妹、こまどり姉妹、かしまし娘というのもあった。
兄弟が同じ会社で働く
兄弟がやがて成人して働くようになり、親が興した会社で共に勤めることがある。また会社を興す際に兄弟が協同して役員になる場合もある。兄弟であれば年功序列が存在する。必ずとは言えないが兄が社長で弟が専務という役職配分が一般的だろう。
会社の経営が厳しいときは、互いに力を合わせて難局を乗り切ろうと努力する。こんな時は兄弟の結束力は何ものより強いものになる。
しかし会社が順調に推移し利益の拡大が図れてくると状況は変わってくる。役職に基づく権威を振りかざそうとすると、これまでの結束力は一気に弱まることがある。また兄弟の子供達が同じ会社に入ってくると複雑化する。
弟の専務は兄の社長を立てて番頭役をかってでても、その子供達はいとこ同士である。いとこ同士には兄弟のような序列は存在しない。実力で測られることになるが、その実力を測るのは親である兄弟かもしれない。内の子と他所の子を客観的に冷静に判断することは出来るだろうか。
役職が人を作るという言葉があるように、それなりの役を与えればそれなりの仕事はするだろう。親としては子に対する試練の機会を与えるようなものかもしれない。役職は試練と共に収入に連動する。子が幸せに暮らすために親はできる限りの努力を払うだろう。兄弟の将来よりわが子の将来を優先するのである。
自分が興した会社には子を入れないという教訓やルールもあるが、後継者を決めておかなかった親の責任は重い。迷惑を被るのは子供達だけでなく、そこで働く従業員や取引先などである。
兄弟より家族を優先する
兄弟が同じ会社で働かなくとも同様の出来事は発生する。高校を卒業するまでの18年間は親兄弟と共に暮らすことは多いが、大学に進学すれば独り暮らしが始まる。その後卒業、就職は親元を離れ勤務先の近くで独り暮らしが続く。
やがて結婚し子が産まれ家庭を持つようになれば世帯として完全に独立する。盆や正月は実家に帰省しようと思っても夫婦互いの実家にはそのたび毎には行けないかもしれない。互いの実家が離れていればなおさら足は遠のくだろう。
年齢を重ねると仕事に対する責任も重く忙しくなる。子供が育ってくれば保育園、幼稚園、小学校等学校関連および習い事等で時間を取られることはますます増えてくる。
自分の家庭を守ることに追われ、実家や兄弟の状況は分からなくなり、やがて関心も薄れていく。自分は住宅ローンと養育費の捻出で先行き不安で一杯になる。実家に兄弟がいれば住宅ローンもなければ養育費を祖父母が支援することもある。子の送り迎えを祖父母が担ってくれれば、妻は仕事を続けることができる。実家を離れた兄弟には羨ましく思えるはずだ。
家を離れて30 年も経てば実家で兄弟と過ごした時間より新たな家族との時間が長くなる。そんな折に親の介護や看護やがて看取りとなれば、久しぶりに兄弟が顔を合わせることになる。葬儀が終わり一段楽する頃に相続や遺産分割の話が持ち上がる。
実家に住む兄弟は親の面倒をみてきたことを下に多くの資産の相続を主張する。実家を離れた兄弟はすでに親から多くの支援を受けたことを下に資産の相続を主張する。自分の将来に不安があり現在の家計の苦しさを少しでも和らげるためには譲ることはできない。
片親がいれば兄弟は親の言うことに従うかもしれないが、その片親がなくなった際は兄弟間の言い争い、着地点のない遺産の争奪戦が始まる。そして一度こじれた兄弟間の関係は二度と元には戻らない。
姉妹はいつまでも仲がよい
男兄弟が久しぶりに顔を合わせても話が続かない。仕事はどうだと聞かれると「まあまあ」、健康について聞かれると「変わりない」、少し踏み込んでお金の話では「厳しいけど何とかやっている」。10分もあれば話は尽きてしまう。
一方女姉妹では話に尽きることがない。学校、仕事、パートナー、子供、健康、趣味、お金、何でも気軽に話してしまう。目の前のこと、思いついたこと、気になること、次から次へと話題が飛び交いながら思いつくまま話は続いていく。脈絡なんて気にしないようだ。
男性に比べ女性のほうが自分をオープンにすることに抵抗がない。本来ならば相手が触れて欲しくないところにも気にせず踏み込んでくる。他人と異なり姉妹であれば許せる範囲は広いだろう。やがて年をとってパートナーが亡くなったら姉妹同士で一緒に暮らそうという話まで持ち上がる。
兄弟は同じ親から産まれしばらく同じ環境で育っているので似ているところが多いはずだ。似ているがゆえ自分の弱点、嫌うところも似てしまう。男兄弟が女姉妹のようにオープンに話すことは出来ないにしても話せば通じるところはあるはずだ。だからといっていきなり話をしようと切り出すのも下心を感じてしまう。
意識すればどこかぎこちない。
もうすぐ正月がやってくる。離れている兄弟が久しぶりに訪れるかもしれない。この正月に都合が悪ければ彼岸はどうだろう。夏には盆もある。季節ごとの行事は数多くある。
さらに親の退職、還暦、喜寿、米寿等両親共に健在ならば兄弟を招く機会はいくらでもある。何も難しい話をしなくても兄弟が直接顔を合わせることが大切と思われる。酒を飲んで他愛のない話をしていれば相手に対する不信感は消えるだろう。
長男が実家にいれば長男が発起人になり、実家に兄弟がいなければ誰が口火を切っても集まることが出来る。長男の嫁に気を使うならば外で集まれば良い。とにかく兄弟が顔を合わせる機会があれば、いつまでも身内の兄弟でいられる。
長野日報土曜コラム平成25年12月28日掲載
有限会社テヅカプラニング 手塚英雄
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