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長野日報新聞「土曜コラム」に掲載中のコラムです。ぜひお読み下さい。

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相続財産の種類

 

人が亡くなり通夜、葬式、告別式、四十九日法要と進むにつれ亡くなった本人の姿はなくなり、遺影と戒名だけになる。墓の準備が出来れば遺骨も目の前から消える。入院中の着替えや服用していた薬などもやがて処分される。

故人の姿は遺影を通じて偲んでも写真だから常に同じ微笑のままである。こちらから話しかけても返ってくることはない。

 

故人は遺影になってしまったが、故人が生前使用していたものはそのまま家の中にある。男性であればスーツ、ワイシャツ、ネクタイなどは他の誰かが着ることはない。くしや歯ブラシ、愛用していた化粧品や携帯電話もそのままである。

 

このような生活感溢れるものから、故人の気配は十分感じられる。泊まりの出張に出かけただけで今晩には帰ると連絡が入りそうな気がする。

 

故人の所有物で経済的価値のあるものは相続税の課税対象になる。具体的には土地建物、現金預貯金、有価証券、不動産や動産、借金や債務などである。これらがある一定の金額以上であれば相続税を支払わなければならない。

 

これまで故人任せにしていただけに、どこにどれだけ何があるのか分からない。残された遺族は途方に暮れるだろう。一般的に家財や日用品に価値はなく、課税対象から除かれる。

 

しかし故人が趣味で集めた書画骨董、美術品は経済的価値があると認められる。その道の専門家が評価した金額が経済的価値である。よって「なんでも鑑定団」で評価されたものはその鑑定金額が相続税評価額になる。

個別の税務調査で調査されるかどうかは定かではないが、鑑定書などが発行されれば間違いなく相続財産に加えられるだろう。

 

経済的価値のないものは四十九日法要の際形見分けが行われる。親族や友人知人に故人が使用していた物品を分ける。時計やペン、女性であれば着物、帯、宝石、アクセサリーなどであるが経済的価値のないものに限られる。

 

これらのものは包装しないのが一般的らしい。プレゼントではないので包装はせず、欲しいものだけに限定し決して押し付けることはしない。

 

故人が使用していた机の引き出しの奥で眠っているものも全て家族が見ることになるので、見られたくないものがあるなら、今のうちに自分で処分しておきたい。反対にわざと見つかるように隠して置いておけばサプライズになるだろう。

 

土地建物の使途

 

相続財産の中で最も大きな評価額のものが土地建物かもしれない。かつては長男が跡を継ぐのが当たり前と思われ、何代にも渡る家は屋敷も広く更に周辺に田畑が接続している。門構えは立派で蔵も複数建っている。さらに屋敷の一角に代々の墓がある。

 

このような家は後継者がいれば良いが、長男がいても離れて暮らしていれば空き家になる可能性もある。かつては「家を守る」「墓を守る」という概念が子供たちに備わっていたが、選択職業上家や墓を守れなくなった。

 

固定資産税や家の維持費は一般住宅よりはるかに高く、住み心地が良いかといえば広いだけで断熱効果は薄く寒さ暑さを直接感ずる。部屋数は数多くても普段使用する部屋は限られている。人が集まったときのために広いが、今では人が集まることはない。

 

もったいないことを承知で建物を取壊して細かく分割するか、リノベーションして民泊に利用しようか。子供たちにすれば自分が育った場所で先祖代々の思いが詰まった土地建物を簡単に手放すことはできない。自分の代で処分できなければそのまま放っておき次世代にその処分を委ねようとする。

 

このような実家は町の中心部には少なく過疎が進む田舎に存在する場合が多い。新たな人の流入もないので住人がいなくなった住宅の朽ちるのは早い。もし買い手、住まい手がいるならば現状の形に拘らず新たな担い手に任せていくのが良いだろう。

 

住宅と同時に困った資産が田畑である。定年退職後に実家に戻り農業を営めれば田畑も活きてくる。慣れない退職者に農作業は辛い。それでもサラリーマンが人間関係に悩み夜遅くまでパソコンに向かっているよりは農作業は健康的である。

 

退職して戻ってくる者がいなければ田畑は荒れ、耕作放棄地となる。地域で一括活用ができればよいが、農業所得が低く農業だけでは生活が厳しければ、地域一括活用や新たな農業従事者を向かいいれるのも難しい。

 

更に山林を持っていたらどうだろうか。世代が変われば境界線がどこにあるかも分からない。田畑の維持より山林の維持はさらに難しい。環境リサイクルから樹木をエネルギーとして活用する動きもあるが、樹木を運び出す道路がなければ活用も困難である。

 

金融財産の使途

 

住宅や田畑、山林に比べ預貯金や有価証券など金融資産は活用度が高い。相続を機に親が使っていた通帳を解約して自分名義の通帳に振り込むだけでよい。株式や投資信託などは口座名義人が亡くなった事を証明し、新たに相続人口座に振替えれば終了する。

 

相続で受取る金融資産はまとまった金額になる場合がある。相続人がこれまで手にしたことのない金額になることもある。このような金額が自分のものになると、まるで宝くじが当たった状態である。

少しくらい使っても元本からすれば僅かである。予期せぬところから降って湧いた泡銭と思えば、つい余計なものに費やしかねない。

 

イヤイヤ、親の相続で得た大切なお金であるので容易には使えない。これからよくよく考えた上で使わせていただくつもりである。

相続で得たお金は相続人固有の財産である。家族共有の預金通帳に入れるのは避けたい。今後離婚する際は分割対象から外れる。

 

親の相続を迎える頃、相続人は子の養育資金の遣り繰りに苦しんでいる頃でもある。国公立に行けば負担は少ないが、もし私立に行けば、さらに東京で暮らすとなればいくらかかるのか目途も立たない。

子は一人ではない。弟や妹も兄や姉と同様に東京の大学に行きたいといわれたら親として言葉を失う。

 

養育費はそもそも親が負担すべきものだから相続で得たお金を使うのは好ましくないという意見もある。相続のお金を使わずに奨学金や学生ローンを使えば、子供に借金を負わせることになる。借金もまた勉強のうちといえば聞こえは良いが、利息をつけて返済するのはもったいない。

 

この時期は養育費と同時に住宅ローンを抱えている時期でもある。もしかしたら借りたお金の半分ほどを返した頃ではないだろうか。住宅ローンの返済が終了すれば、日々の暮らしはずいぶん楽になる。この返済も自分たちの責務と考え自分たちだけで返済するのも良いが、将来のことを思うと借金はなくしておきたい。

 

親の相続で得たお金をローンの返済や養育費に充てることは、亡くなった親にしてみても好ましい使われ方である。生前であれば住宅資金や教育費の贈与が行われたかもしれないが、相続後に実行されただけである。

養育費も住宅ローンも既に終えていればどう使おうか迷うところである。良からぬ欲求が顔を出し、自動車に飲食に貴金属に旅行にと数え始めたらきりがない。

 

預貯金に預けてもほとんど増えないので、この資金を下に資産運用を勉強するのはどうだろうか。資産運用は論理的に考え、辛抱と忍耐を経験する。決して一括投資を行い投機のようにワクワクを楽しむことではない。

親から相続した大切なお金は減らさなければ良いだけではなく、自分のため、家族のため、社会のために意味のあるものに使いたい。

 

 

長野日報土曜コラム 平成30年11月24日掲載

有限会社テヅカプラニング 手塚英雄

 

 

 

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