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長野日報新聞「土曜コラム」に掲載中のコラムです。ぜひお読み下さい。

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149 幸せとお金の相関関係

幸せと収入の相関

 

年収と幸福感は一定の金額までは相関関係があるが、それ以上増えてもこれまでのようには幸福感が高まらないという米国経済学者の研究論文がある。

その一定の金額とはおよそ800万円である。800万円までは年収が増えれば幸福感も上昇するが、800万円を超えて年収が増えてもさほど幸福感は上がらない。

 

その理由のひとつとして年収800万円といえば企業規模にもよるが中間から上級管理職の年収である。このくらいの管理職は自分の仕事と部下の管理と双方を担当するのでとても忙しい。

またこのような人はすでにマイホーム、自動車、養育等には一通りの資金準備があると思われる。年収が増えても特に新たに購入する物もなく、長期休暇を取って旅行することはできずお金を消費できない。よって年収が増えても満足感がさほど高まらないということだろう。

 

幸福感はそれぞれの人が感ずる充実感や満足感のレベルであるから人によって異なる。金持ちは多少年収が増えても生活の小さな楽しみを味わう感覚は衰えてくる。

例えば月収20万円の人が1万円の増収時の喜びと月収200万円の人の1万円の増収時の喜びは異なる。年収の少ない人のほうが増収時の喜びは大きい。月収20万円の人の1万円と同じ喜びを得るには月収200万円の人は10万円の増収が必要になる。年収が少ない人のほうが少ない金額で幸福感が高められる。

 

「お金で幸せは買えないが、お金で不安を減らすことができる」といわれるが、収入が増えれば不安を減少できる。突発的な出来事があっても経済的な支えがあればパニックに陥ることはなく、冷静に判断し行動が取れる。

不安が減少したからといって幸福感が高まるわけではないが、人の欲求には不安の減少がある。不安が現実のものとなり痛みが生ずれば誰でもすぐに取り除きたい。

 

お金があれば衣食住での心配は少なくなる。お金を予防に使えば病気、事故、災害から身を守ることもできる。お金によって危険を遠ざけられたと思えるが、不安は頭の中で勝手に思い描く妄想なので、次の不安が生まれてくる。

きりがない妄想予防にお金をつぎ込めば、きりがなくお金を必要とする。勝手な妄想を遮ることが出来ればお金を要せず不安は減少する。何とかなるさという開き直りが節約につながる。

 

幸せと支出の相関

 

幸福感は人の五感が満たされると高くなる。空腹が満たされ、いい香りに癒され、いい音色に浸れば幸福感は上昇する。

ハンバーガーを腹一杯食べたときと江戸前寿司を腹一杯食べたときの満足感にどれだけの違いがあるだろうか。それではハンバーガーを100円回転寿司に変えたときはどうだろうか。江戸前寿司とは価格が10倍以上の違いはあるだろうが、満足感に10倍以上の違いは感じられない。

 

初心者向けのバイオリンと世界的に名器といわれるバイオリンの違いはどうだろうか。価格は1000倍以上の差があるだろうが、その判別は難しい。これは毎年恒例番組として人気がある「芸能人格付けチェック」である。番組上の演出もあるだろうが、テレビを通して感ずる限りでは価格の違いはほとんど分からない。

 

言い換えれば満足度と支出金額に相関関係はない場合がある。人の感覚とは時、場所、状態によって変わる。支出金額を抑えながら満足度を高めることはいくらでもできる。価格が高ければ上手くて当たり前と思うが、価格が安くて上手いと感じたほうが満足度は高くなる。

 

価格設定に1,000円、2,000円、3,000円コースがあれば、最も注文が多いのは2,000円である。客単価をあげるには1,000円、3,000円、5,000円コースを設ければ、3,000円コースの注文が最も多くなる。人の価格と満足度のバランスを取った行動と思われる。

 

「お金で幸せは買えない」といわれるが、幸せになれるお金の使い方がある。米国で心理学者による実験では自分のためにお金を使った人より他人のためにお金を使ったほうが幸福度が上がる結果が得られた。他人のためにお金を使うとは寄付行為だけでなく、食事やお茶を共にしたら相手に驕る行為やプレゼントなどである。

 

驕られる立場からすれば、相手に貸しができその貸しが心の負担になり、いつか返さなければ落ち着かない気分になる。この煩わしさから驕ったり驕られたりすることを敬遠するかもしれない。驕る方は下心なく純粋に気持ちがよく、自分が幸せになれることを知っているので驕るのである。

 

世の中の大金持ちは自分では使いきれないから他人に施しの意味で寄付をするように思われるが、実際は自分の幸福度を上げるために(世のためでもあるが)寄付を行っている。寄付行為は金持ちだけでなく一般人が多く行っている。

新学期が近づくと小学校にランドセルを寄付する伊達直人が現れる。寄付行為自体も素晴らしいが、伊達直人自身も幸せに満ちた人物であろう。

 

お金を使うならば物に費やすより経験に費やすほうが幸福度は高まる。物は時間が経つに連れ傷つき陳腐化し、初めて所有したときの感動は次第に薄れてしまう。ところが経験は時の経過と共に自分の中で熟成し輝きが増してくる。

ただし経験に費やすにしても頻繁に行えば感動は薄れる。慣れは感動を薄めるので一定時間経過したところで行うのが良い。

 

平均思考を止める

 

年収が増えても一定額に達すれば幸福度はそれほど高まらない。一定額はその人の年収、生活様式、地域によって異なるだろう。田舎で食物を育てながら生活すればお金の必要性は低下する。

またお金を多く支出すれば満足が得られるかといえばそうでもない。価格設定は合理的根拠に基づいて行われるが、人の満足度とは無関係である。ただし多くの人が賛同するので自分もその中に含まれると思い込む。

 

最近ではこれから買おうとする物を既に使用した人のレビューを参考にすることが多くなった。これまで使用したことのない家電や日用品だけでなく、旅行やレストラン探しにも使われる。せっかくお金を出すのだから失敗したくないという思いから、経験者の感想を参考にする。

使用者のレビューと共に満足度ランキングも公表されている。どんな基準でどのような人の意見から作成されたか分からないが、迷うことなくランキングを受け入れる。

 

幸いにランキング1位の物を得て自身でも満足すればよいが、2位の物しか得られなければ物として満足しても更に上位があることで満足度は低下してしまう。ランキングにより自分が感じた満足度を下げられたことになる。

かつて消費者の購買行動に「AIDMA(アイドマ)の法則」があった。Attention(注目)Interest(興味)Desire(欲求)Motive(動機)Action(行動)等を段階的に上手にリードすることで購買行動に結びつける。

 

最近ではネットが普及したおかげで探索、比較という行動が追加され購買行動されている。比較する対象はどんな場合でも普通に行われるようになった。

他人のレビューを見てランキングを参考に購買行動は一般的になったが、最も優先すべきは自身の満足度だろう。誰が何と言おうと自分が気に入っていればそれで良いだろう。

 

自分は集団の平均ではなく、ランキングで必ず上位を取得する必要はない。もっと多様性を認め多様性を受け入れるようにしたい。勝手に作られたデータで自分の幸福が左右されるのはつまらない。

 

 

長野日報土曜コラム 平成31年1月26日掲載

有限会社テヅカプラニング 手塚英雄

 

 

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