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102 幸せのために

幸せのためにお金を使う

 

寒いこの季節に温泉に入れることは何より幸せである。手足を伸ばし、目を閉じれば何もかも忘れられる。さらに露天風呂では雪を見ながら氷点下の外気を直接感じながら湯に浸かれるのは最高の幸せである。

真夏の仕事帰りに一杯のキンキンに冷えたビールも格別である。とりあえずビールといって口にすると喉から胃袋に流れ込む感覚で一日の疲れは吹っ飛ぶ。仲間と話が盛り上がれば明日も頑張ろうと思えてくる。

 

これまでウィンドウ越しに眺めていたブランドバッグを自分へのご褒美として購入する。鏡の前で幾つものポーズを決めて惚れ惚れする。セレブの仲間入りをした気分になれる。

また憧れであった高級車を手に入れると、休みのたびにピカピカに磨く。信号待ちやすれ違う人の視線がこちらに向いていると幸せを感じる。こんなときは不思議と運転も優しくなる。

 

日帰り温泉や帰りがけの一杯程度ならそれほどお金はかからない。(回数を重ねればそうとも言えない)ところがブランド品や高級車となれば相当思い切らないと購入できない。買うための理由をいくつも用意して、自分や家族に言い聞かせて購入する。

 

さらに住宅や子供の教育となればブランド品や高級車に比べはるかに高くなる。住宅は家族のため(妻のため)教育は子供の将来のためであるが、自分の幸せのためである。

幸せは近くのもの遠くのものがあるが、人は幸せを得るためにお金を使う。これは昨日より今日、今日より明日と徐々にステップアップする幸せを求めて人は日々生活しているといえるだろう。

 

幸福観は十人十色

 

一時の温泉や一杯のビールによる幸せは長続きしない。ブランド品や高級車でもしばらく時間が経てば購入時の幸福感はだいぶ色あせる。

日帰り温泉ではなく檜の露天風呂付き旅館に宿泊したい。煙が充満した焼鳥屋ではなく、夜景がきれいな高層ビルのバーで飲みたい。ブランドバッグに合う洋服や靴も欲しくなる。せっかく高級車を購入したら遠くまでドライブをしたい。

 

かつては最高と思われた幸福も既に満たされると次の幸福を求める。個人が幸せと思うことを幸福観というが人それぞれ異なる。現在置かれている立場によって同じものでも幸せと感じる場合と感じない場合がある。

何日も食べ物を口にしていない人は、食べられるものであれば何でもよく幸福感を味わうだろう。一方普段食に満ち足りていればこれまで食べたことのないグルメ料理でなければ幸福感は味わえない。

 

集団の中で自分の存在が確認できると幸福になれる。会社組織の中で自分のアイデアが認められ、採用される。学校でも自分の考えがクラス内から学校全体に広まっていく。地域社会では気軽にあいさつを交わし、常に気にかけてくれるなども幸福感につながっている。

恋人とデートしている時や家族で旅行している時も幸福である。ドキドキやワクワク、愛情が溢れているときはとても幸せな気分になれる。

 

また、第一志望の大学に入学できた、高い倍率であったが無事就職できた、何年もかけチャレンジを続けてやっと資格試験に合格した。このような努力が報われたときにも幸福を感じる。

また幸福というと感覚的、物質的なものばかりでなく精神的な幸福もある。戦争が行われている地域では平和を願い、災害が発生した地域では何気ない普段の生活が幸福の最中だったと気づく。さらに信仰において将来幸福になれるよう功徳を積み重ねることもある。

 

幸福観はその人の経験や現状、優先順位、関心により異なっている。

 

幸福感は相対的

 

週刊誌やワイドショーでは人の不幸に関する話題が多く取り上げられる。これは他人の不幸を知ることにより自分はそこまで不幸ではない。まだ幸せの方だと感じる。

金持ちの遺産相続トラブル、エリート家庭の離婚や子供の不登校、オーナー企業一族の内紛など他人の不幸を通じて我が身の幸福感に転換する。

 

どんなに貧しくても他人から後指を指されるようなことはしない。お金はないけれど家族は健康で仲が良い。仮に自己破産して財産は全て失っても命まで取られることはない。上には上がいるが、下には下がいる。下を知ることにより救われることがある。

 

友人の自慢話を本当は聞きたくないかもしれない。聞くことにより成し得ていない自分が相対的に惨めになるからである。不幸な話のほうが自分にとって好ましい場合がある。

この際ポジティブな人に相談すると逆効果が現れる。ポジティブな人は「その原因は何か」「どうすればいいんだ」「君は何が出来るんだ」「では出来ることからすぐ始めよう」と元気付けようとするかもしれない。

 

相談者は慰められるどころか自分の欠点をはっきり指摘されたので、責められている状態になる。相談者は自分の現状を一緒に受け止めてくれれば良いのにポジティブな人は解決を優先し、相談者の感情が理解されないことがあ

る。

 

相手と対等と考えていれば、相手が下がってくれれば相対的に自分が浮かび上がれる。自分は何も努力をしていなくても幸せになれる。努力するには労力と時間がかかるが、他人の不幸話で一瞬にして幸せになれる。

常に周囲と比較しながら自分の幸せを求める姿は誰にでもある。比較しながら自分の現状を確認している。

上との差を認め、その差を少しずつでも縮めようと頑張る人と下だけを見て優越感を感じ頑張らない人では、頑張る人は自分を好きになり、頑張らない人は自分を嫌いになるかもしれない。

 

幸せは気づきというけれど

 

人には欲求が備わっていて常に何かを求めている。低次の欲求が満たされても高次の欲求が湧き上がってくる。満たされない欲求により常にストレスを感じていることになる。

幸福を感じるには現状の足りない部分に目を向けるのではなく、既に手の中にある物事を認識して満足するように説かれている。さらに感謝の気持ちをもって愛情を注ぐことが幸福への道程であるとも言われる。確かにこれまでの自分を振り返り、達成したこと、交友関係、取得した物等により満足することはある。

 

しかし、それだけで将来に向かって幸せが継続するかといえば、そんなことはないと思われる。思い出に浸って懐かしく微笑んでいられるのは一瞬である。

これから続く人生において幸せでいるためには、何かしら新しいことに取り組むことではないだろうか。何か始めることにより新しい発見があり、新しい人と出会い、時には新しいトラブルに合うかもしれない。

 

幸福はこの先どうなるか分からないから、ドキドキとワクワクが伴う。苦しみ、悲しみ、挫折、失敗まで至らないようなリスクであれば積極的に取り組んでいいのではないか。幸せの予感は結果がどうであれ幸福感が伴う。

「君といつまでも」の語り部分に「幸せだなあ。僕は君といるときが一番幸せなんだ。」と加山雄三は言っている。おそらくドキドキとワクワクが伴っているから幸せを実感しているのではないだろうか。

 

長野日報土曜コラム 平成 27 年 2 月 28 日掲載

有限会社テヅカプラニング 手塚英雄

 

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