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長野日報新聞「土曜コラム」に掲載中のコラムです。ぜひお読み下さい。
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令和元年からのコラム
平成31年
90. 夫婦のコミュニケーション
92. もう一人の自分
93. ニ間続きの座敷
94. 子育ては今が大変
95. 霧に迷いし蛍かな
96. 旅は人生を豊かにする
97. 持家の選択
98. 自動車を手放すとき
99. 投資してますか?
100. お金と人を見つめ続けて
平成26年
90 夫婦のコミュニケーション
コミュニケーションスキル
先日主人の会社で新たに確定拠出年金が導入されることになったが、選択性なので給与で受け取るか確定拠出年金の掛け金として受け取るかの相談を奥さんから受けた。
その場合掛け金として受け取れば手取り金額が少なくなるが、それで日常生活のやり繰りできるならば掛け金として受け取るのが良いと伝えた。掛け金の分配先は自分で決めなければならないが、分配先の変動理由と経済の動向を見ることにより徐々に投資スキルが鍛えられるだろうとも伝えた。
教科書通りの回答と思えたが、次の瞬間実は今の会社を 3 年後に辞めて独立しようかと考えていると言われた。独立するなら初期の設備資金が必要になるので、なるべく手持ち資金を多くする必要がある。
テーブルを挟んでの面談ではなく立ち話での相談であったが、長期に渡り勤務するとばかりに受け止めていた。勝手な思い込みによる回答の恐ろしさを感じた。どんな状況であれ、説明する前に良く聞くことは大切なことだと改めて感じたところだった。
コミュニケーションは仕事に限らず日常生活でも大切であるが、特に家庭内の夫婦のコミュニケーションは最も重要と思われる。単に夫婦仲の良し悪しではなく子供を含めた家族のライフプランに大きな影響を与えると考えられるからである。
会話時間が長い夫婦は仲が良い
平日スーパーに行くと老夫婦が買い物をしているところを時々見かけることがある。夫はポケットに手を突っ込みただ奥さんについて回っているようだ。夫は退職して何もすることがないから、奥さんの買い物の運転手としてついてきたのだろうか。
夫婦のコミュニケーションについての調査によると、夫婦の会話時間が長いほど夫婦の満足度が高いという結果がある。
現役世代より退職した世代のほうが会話する時間が多いので、自然と満足度が高まる。
どんな会話が満足度を高めるために必要かも調査結果の中で紹介されていた。その中で突出していたことは、相手に対して気を配っていることだ。さらに共通の趣味や話題があれば更に満足度は高まっていく。
会話がなされるのは食事のとき、買い物に出かけるとき、休日を過ごすときなどである。何もやることがないので、ご主人がスーパーで奥さんの買い物に付き合っていたなどと勝手に想像したが、実態は買い物を通じて夫婦の会話を楽しんでいたのかもしれない。夕食の献立を一緒に考えていたのかもしれない。
退職した夫は現役の時に比べ友人が少なくなっていると思われる。そうなれば配偶者は最も身近な話し相手となり、現役時代に比べ大きな存在になるだろう。
奥さんに付いて離れない夫を濡れ落ち葉などと揶揄することがあるが、傍から勝手に想像することであり、実態は夫婦にしか分からないところだ。
現役世代夫婦のコミュニケーション
退職者に比べ現役の夫婦は長時間の会話は難しいかもしれない。夫の帰りは毎日遅く土曜日も出勤となれば、日曜日は身体を休めることしかできない。妻の話を聞くこともできず、仕事の話をしてもなかなか理解してもらえない。
妻は夫の大変さを想像するが、家庭を犠牲にしてまでも何故そんなに仕事をしなければならないか分からない。妻は家庭あっての仕事と考えるが、夫は仕事があるから家族を養えると思っているのかもしれない。
妻が私だって仕事をしていると言えば、俺のほうが多く稼いでいると言い返す。相手に対する気配りや思いやりは会話の中から感じられず、互いに自己主張を言い合うだけのように聞こえる。
コミュニケーションはキャッチボールに例えられる。相手の投げたボールを一旦受け止めてから投げ返すのがキャッチボールである。受け止める前に別のボールを投げ返したり、受け止めることなく打ち返せばキャッチボールではなくなる。
時間がいくらでもあればいくつかのボールを受け取り損ねてもいくつかは受け取れるだろう。忙しい夫婦
の場合は時間がないので、受け取り損ねることは互いの溝を深くすることになる。コミュニケーションの量が多ければ相手の心に届く場合もあるが、少ないならば質を高めることに気を配ることが求められる。
コミュニケーションはまず相手の言うことを受け止めることから始まる。ただ聞いているだけではなく「傾聴」することである。相手の話を否定することなく、自分の意見を挟むことなく、しっかりうなずきながら話を聞くのである。
会話の中身を分解すると、「情報」と「感情」に分けることができる。ここで注目するのは「感情」の部分である。ここをいい加減に聞き流されるといくら長い時間会話をしても互いの信頼は高まらない。
「うちの子がレギュラーに選ばれなかったのよ」という発信を情報とすれば、誰か別の子がレギュラーに選ばれたということだが、発信側として受け止めて欲しいのは「残念、悔しい、悲しい」という感情部分だろう。この感情部分をしっかり受け止めることができればキャッチボールが成立する。
しかしここを取り違えるとやがていくら話しても分かってもらえない、話しても仕方がない、時間の無駄と思われてしまう。
よって会話には体調管理と想像力を要することになる。くたくたに疲れているときや頭が真っ白になっているときなどはつい急いで結論を求めがちになるが、結果として質の低い会話になってしまうかもしれない。
夫婦喧嘩は貧乏の種まき
このことわざの意味はいつも喧嘩ばかりしている夫婦では、夫は家に寄り付かず家庭を顧みることがなくなれば、飲む・打つ・買うに走るかもしれない。そうなればお金は湯水のように消えてゆく。
妻もまた溜まったストレスを解消するために飲食や浪費に走れば、これもまたお金がなくなってしまうという意味である。
更に想像を追加すれば自前のお金で賄っているうちは良いが、ローンに手を出せば金利分が上乗せされる。
また子供たちは喧嘩をしている両親の姿を見ている。経済的に迷惑を被れば進学も危うくなるだろう。やがて大人になったとき両親の姿を思い描くことになる。両親を反面教師と受け止めることもあるかもしれないが、多くの場合は同様な行動を取ることがある。親の言動は遺伝によって次世代に受け継がれてしまう。
夫婦には乗り越えなければならないハードルがいくつもある。
衣食のほかに住である。賃貸であっても持家であってもそれなりに毎月お金が出て行くことになる。
続いて養育である。子供が小さいうちは支援があってもそれだけでは決して足りない。部活を始めれば用具や遠征などにもお金がかかる。更に進学となれば一気にまとまったお金が出て行くことになる。
親が介護状態になれば誰が、どこで、どのようにみていくのか。
そのとき仕事はどうなるのだろうか。やがて相続を迎えれば遺産分割を行なわなければならない。家族だけではなく兄弟姉妹と話し合うことになる。
これらのハードルを乗り越えるにはパートナーの力無くしては難しい。困ったときに力を借りられるよう今からできる限りの種まきが必要かもしれない。
長野日報土曜コラム 平成 26 年 2 月 22 日掲載
有限会社テヅカプラニング 手塚英雄
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