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長野日報新聞「土曜コラム」に掲載中のコラムです。ぜひお読み下さい。
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90. 夫婦のコミュニケーション
92. もう一人の自分
93. ニ間続きの座敷
94. 子育ては今が大変
95. 霧に迷いし蛍かな
96. 旅は人生を豊かにする
97. 持家の選択
98. 自動車を手放すとき
99. 投資してますか?
100. お金と人を見つめ続けて
平成26年
99 投資してますか?
99 投資してますか?
投資はお金を増やすため個人が投資を行う目的はお金を殖やすためである。株式投資では投資先企業を応援する効果もあるが、何と言っても個人のお金を少しでも殖やすことが目的とされる。殖やす基準は銀行預金金利と比べられる。
銀行預金金利は現在 0.02~0.05%であるから、仮に 100 万円を 1 年間預けても 500 円の利息であり税金が引かれると 400 円になってしまう。この金額は ATM による他行宛の 3 万円未満の送金手数料にも劣る。
それならば少しでもお金を殖やせる投資が良いかなと考えても不思議はない。また退職を機にまとまったお金が普通預金口座にあれば、使ってしまうかもしれないし老後の生活費に充てるために少しでも殖やしたいと考え投資を始める人もいるだろう。
普通預金に預けておけば殖えることはなくても元本が減ることはない。そして必要なときにいつでも引き出せる。一方投資の場合、増えることもあれば減ることもあり、すぐに現金化できるとは限らない。
過去10年間平均して5%の利回りが得られたとしても、毎年5%ずつ着実に増える訳ではない。元本を割り込む年があれば 10%を超える利回りの年もある。投資には常に変動が伴うので変動を受け入れられる範囲で投資することになる。
投資によって思ったより運用が良ければ予定より早めに住宅を取得することは出来るが、運用が悪かったので子供の進学時期を遅らせることは出来ない。養育資金など時期が確定しているものに投資資金を充てるのは好ましくないと思われる。
投資の目的はお金を殖やすためであるが、殖えたお金を何のために使うかといった計画が必要とされる。計画がなければ精神衛生上好ましくない投資は控えたほうが良い。
投資先は星の数ほどある
投資先といって一般的に名前が浮かぶものは、株式、投資信託、債券、不動産、為替、商品などである。株式といっても日本国内に上場している銘柄は 3,400 近くある。投資信託も同様に 4,000 本くらい上場している。株式と投資信託だけでも 7,400 もの銘柄からどれを選択すればよいだろうか。
投資信託は 1 口 1 万円から購入できるが、株式場合購入単位を 1単元といい、銘柄によって異なる。1 単元が大きく 100 株と 1,000 株に分かれている。株価が 300 円であれば 100 株であれば 30,000 円、1,000 株であれば 300,000 円が購入単位になる。
現在株式の場合 1 口に当たる 1 単元の最低価格は 40 万円程度であるから、100 万円を持って株式投資しても 2 銘柄しか購入できないことになる。
星の数ほどある投資銘柄からどれを選択するかが投資家にとって悩ましいことである。あなたの知っている会社名をあげてくださいと言われて何社あげられるだろうか。地元で上場している会社とメディアを通じて聞いたことのある会社をあげても 50 社もあげられるだろうか。
上場会社 3,400 社のうち 50 社は 1.5%にも満たない割合である。あげられた会社 50 社が投資対象として相応しいのか、今後株価が上がって利益が得られそうなのかと言われれば疑問が湧く。
そこで市販されている投資雑誌を参考にすれば、全国の投資家が参考にしているので書店に並ぶ頃には株価が上昇しているかもしれない。ネット証券の推奨銘柄も同様である。対面販売を行っている証券マンに聞けば、それなりの銘柄は薦めてくれるだろう。
運よく推奨銘柄が当たり株価が上昇したら次にどのタイミングで売却していくのだろうか。証券マンに頼りすぎると自分のお金がゲームのように使われてしまい、自分の生活設計とはかけ離れたものになってしまう。また売りは買いより難しいと言われどのタイミングで売っても何らかの後悔が生ずるものだ。
投資対象の銘柄選択
どんな銘柄を買っても日経平均株価が上がれば個別銘柄もそれなりに上昇するので、そんなに迷うことなく自分が描くイメージで銘柄を選定することも出来る。これは多くの人が行っているかもしれないがギャンブルに限りなく近い。
そこでもう少し科学的に銘柄を選定する方法を検討する。株式で利益を得るためには安く買って高くなったら売れば良い。割安と言われる銘柄を選定するには PER、PBR という指標が基準となる。
PER(株価収益率)は株価が企業の利益に対して何倍の値段をつけているかを表している。平均値より低ければ割安、高ければ割高になる。割安銘柄に投資すればそのうちに上昇するかもしれないので利益が大きくなる。
平均値と言っても個別銘柄の選定に上場株式全体の平均値をあてはめてもあまり意味がない。小売、卸売り、電気、機械等同業他社と比較して割安割高の判断に用いられる。
PBR(株価純資産倍率)は株価が企業の保有する資産に対して何倍の値段をつけているかを表している。負債を除いた資産が 50 億円として発行株数が 1 億株であれば、1 株あたりの資産は 50 円になるが、株価が 500 円では PBR は 10 倍となっている。
この値が同業他社より低ければ割安、高ければ割高となる。また PBR が 1 倍という状態は資産価値と株式価値が一致しているので、最安値といえるがこの状態は会社が危機状態かもしれないので低ければ低いほど良いとはいえない。
株式は売り買いして利益を出す以外に配当を受け取る方法がある。配当は年2回行われ、企業実績に基づき発行される。企業実績が変わらなくても株価は変動することから、配当が30,000円の場合1単元株価が 500,000 円ならば 6%の利回りであり、1 単元株価が 600,000 円に値上がりすれば利回りは 5%になる。
この利回りのことを配当利回りといい、配当額が変わらないとすれば株価が下がったときに取得すれば高い配当利回りを取得できることになる。
ROE(自己資本利益率)は利益を自己資本で除した値である。自己資本が同じ額の企業でも利益が大きければ ROE は高くなる。言い換えれば高 ROE の企業は効率よく利益を生み出すことが出来る。利益が出るビジネスモデルを持っている、業界において NO.1 の企業である場合が多い。
PER、PBR、配当利回り、ROE などを使用して投資対象を見つける方法をファンダメンタル分析という。企業の経営分析に基づいて良い投資先を見つけようとしている。
投資時期の選定
ファンダメンタル分析で投資対象の銘柄を何社か選択したとしてもそれらの株価は日々上下している。株価は企業の業績だけによるものではなく外的要因によって大きく変動する。
そこで株価チャートを見ながら下がり始めたから買いを入れたらさらに下がってしまったとか相当上がったので売り抜いたらさらに上昇して利益のチャンスを逃してしまったということは良くあることだ。
売買時期の選定にあたりテクニカル分析が活用される。日々の株価チャートを見ていただけでは分からないが、株価の終値をつなぎ合わせると移動平均線が描かれる。この移動平均線が長期(75 日)と短期(25 日)を用いて、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に交差する点をゴールデンクロスといい買いのサインと言われている。一方短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に交差する点をデッドクロスといい売りの
サインと言われている。
他にもテクニカル分析で使用される手法はいくつもあるが、組み合わせながら使い勝手の良いものを使用するのが良い。株価の上昇限度もこの方法で予想されている。
ファンダメンタル分析やテクニカル分析は証券会社や証券取引所のホームページのスクリーニングにより実際に使用できる。
日々パソコンに向かい株価チャートを見ながら売買しているのがデイトレーダーといわれる者であるが、一般の人が日々パソコンに向かうことは不可能である。そこで休日に選択した銘柄をポートフォリオの中にストックし選定に間違いがないかしばらく様子を見る。面倒くさいと思っても多少の努力は惜しまない。
例えばリーマンショックや東日本大震災後は大きく株価は下落したが、政権交代や金融緩和によって株価は上昇した。このような大きな流れの変化で売買の時期を捉えることは出来るだろう。例え一度取り逃したとしても次の波は必ずやって来る。
ただし波を感じるには海辺に行って海水に身を浸しておく必要がある。山にいるだけでは波の様子は
決して分からない。昔から投資は中断することなく継続することが鉄則と言われている。
長野日報土曜コラム 平成 26 年 11 月 22 日掲載
有限会社テヅカプラニング 手塚英雄
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