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長野日報新聞「土曜コラム」に掲載中のコラムです。ぜひお読み下さい。

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95 霧に迷いし蛍かな

「皆さん今日は」

 

「皆さん今日は」は大勢の人に向かって話し始める際に使われる最初の言葉である。その後自己紹介に続いて今回の講演をするに至った背景などを説明しながら本題に入っていく。講演は演台の上にパソコンを置き、画面を見ながら講演を進めていく。

手元のパソコンを操作すれば、自然と前屈みの姿勢になり客席に視線が向くことはない。また喉が絞られ低い声になってしまう。解説する場面では低い声でも良いが、訴えたいところでは迫力不足になる。真に伝えたいところでは高い声でなければ伝わらない。

 

客席に視線を向けることを怖がり、間違えてはいけないと思うばかりにうつむいた姿勢になってしまった。

パソコンに向かって独りよがりの講演をこれまで何度も繰り返していた。

後になって映像を見れば常にうつむいた状態であり、いくら言葉に抑揚をつけたとしても迫力不足である。またパソコン画面が映し出されるスクリーンを指して説明しても唐突さを感じてしまう。

 

参加者は講演中講師の声や言葉に50%、容姿や姿勢に30%、残りの20%が内容に向かっているといわれている。

どんなに説明用資料を念入りに作製しても、客席を省みない独り舞台は開始15分で飽きられる。内容が素晴らしくても相手が聞く耳を持ってくれなければ講演は失敗である。

 

このように気付いてから講演スタイルを変更した。パソコンを演台から前列のテーブルに移動し参加者とパソコンの視線のずれが少なくなり、常に視線を客席に向けることが出来るようになった。

片手にマイクを持ち、もう片方にはリモコンを持ってパソコンを操作する。視線は常に客席に向かうので状況も伺えるし、直立した姿勢から声のメリハリがつけやすくなった。

 

ストーリーは起承転結や序論・本論・結論と講演が進むにつれ重要性が高まるような構成が多い。ところが参加者の関心のピークは講演開始の冒頭であり時間の経過とともに低下してゆく。そして終了時間が近づくと再び関心が高まる傾向があるといわれている。

 

よって講演開始直後に自己紹介や講演に至った経緯などだらだらと話していては、せっかく向けられた関心を自ら取り逃してしまうことになる。

講演開始直後にまず結論を述べ、その後理由を説明しながら最後にまとめを箇条書きで表すようにした。

一対多のコミュニケーションは相手が言葉を発しないので、講演者が空気を感じ取らなければならないが、一対一の日常会話においても相手を思いやる姿勢は同様である。

 

あいさつはおうむ返し

 

「今日は」と言えば「今日は」と返ってくる。偶然家の前で会ったさほど親しくない人とはこれだけで足りる。ただ言葉を交わしただけである。「今日は」は「今日はご機嫌いかがですか」の下部を省略したものであるが、通りがかりの人に突然「ご機嫌いかがですか」と聞かれたら、どうしてあなたに自分の機嫌を伝え

なければならないか疑問に感じられるかもしれない。

 

ただおうむ返しをすればよいのだ。この行為は「私は悪い人ではないですよ、あなたに悪意は抱いていませんよ、そしてあなたの存在に気づいていますよ」という意味だろう。

田舎では挨拶が出来るかできないかで良い人悪い人が判断される。あいさつも出来ない人、常識のない人、変わり者というレッテルが張られてしまう。

 

小学校では道で会った人にあいさつをしようと教えられる。その約束を守って小学生は元気良くあいさつをしてくれるのが、とても気持ちが良い。

親しくなった人とは更にコミュニケーションは発展する。おうむ返しをすれば良いといっても「今日は」」

「はい、今日は」だけで続く言葉がなければ、沈黙から違和感が生まれてくる。この違和感を嫌ってあいさつが出来ない場合もあるだろう。

 

「今日は」に続くフレーズがなければ、いつまでも偶然出会った悪い人ではない関係のままである。この関係をもう少し発展させるには多少のテクニックがあればスムーズに発展する。

 

霧に迷いし蛍かな

 

現役中であれば会話の相手は同じ社内の者か取引先の者に限られるだろう。仕事を通じて報告、連絡、相談など話題に欠くことはない。

しかし退職すれば近所付き合いや新たに参加したサークルではこれまでの常識では通用しない。待っているだけでは新しい人間関係は築けない。

 

そこで面識の少ない人とのコミュニケーションに役立つ方法として、「霧に迷いし蛍かな」という言葉がある。この言葉は霧の中では蛍自身の明かりも役立たず、上手く飛び回れず彷徨ってしまう様子を表したものではない。

キ:気候、季節の話

リ:利益になる話

ニ:ニュース、時事の話

マ:漫談、おもしろい話

ヨ:喜びそうな話

イ:衣食住の話

シ:趣味趣向の話

ホ:ほめ言葉

タ:旅の話、ためになる話

ル:類のない珍しい話

カ:家族、家庭の話

ナ:泣かせる話

「今日は」に続いて「今日も暑くなりそうですね」「梅雨明けとともに真夏日や猛暑日になるのでしょうか」と話せば、あいさつに続いて季節の話に移り会話の展開はスムーズになる。

季節の次は利益の話とばかりに「ところで最近は儲かっていますか」といきなり切り替われると、せっかく和んだ空気が重くなり、相手は引いてしまうかもしれない。商店街では「儲かりまっか」「ぼちぼちでんな」で通用するかもしれないが、相手の仕事も分からないうちに利益の話は持ち出せない。

 

「お宅のお子さん(お孫さん)はいつも元気にあいさつをしてくれて気持ちがいいね」と続けばほめ言葉になり相手は更に心を開いてくれるだろう。

話題の順序や組み合わせは時や場所に応じて変えなければならないが、既に実践されているところだろう。

 

同様の語呂合わせとして次のようなものもある。

「木戸にたちかせし衣食住」

キ:気候、季節の話

ド:道楽の話

ニ:ニュースの話

タ:旅の話、ためになる話

チ:知人の話

カ:家族、家庭の話

セ:セックスの話

シ:仕事の話

イ:衣類の話

ショク:食物の話

ジュウ:住居の話

これらは営業上のトークであり、商談には「切り出し」「前段」「後段」に分かれていて、切り出し部でまず相手の心を開く場面で使用される。これらによって相手がこちらの話に耳を傾けてくれる状況を作る。

特にほめ言葉で相手をいい気分にさせながら、ためになる話を持ち出し自分の言うことはまともであり

できる。

 

限定質問と拡大質問

 

「今日も暑くなりそうですね」「はいそうですね」

「暑い日には仕事帰りに一杯やりたいですね」「いいですね」

「最初の一杯は冷たいビールですね」「その通り」

この3つの質問はすべてYES、NOで答えられる質問である。このように相手にYES、NOで答えさせる質問を限定質問という。

さらに相手にYESを3回繰り返させているので、相手との波長は相当合っている。人はNOを答えるよりYESを答えるほうが精神的に楽である。なるべく多くのYESを引き出すような質問が関係構築には好ましい。

 

限定質問は話題をリードする際に用いられるが、多用すると尋問されているような気分になるので、質問内容は目的に沿って吟味されなければならない。

 

「今日仕事が終わったら何をするのですか」

「仕事が終わるのは何時ごろですか」

一方拡大質問は 5W1Hを自由に相手に答えさせる質問である。相手と信頼関係が深まってくれば有効な質問である。限定質問に比べ相手は答えることにエネルギーを要することになる。

 

一つの出来事の話題に対して「どのように思ったのか」「何故そのように思ったのか」「その時その人はい。

営業上の会話は相手 90%こちらが 10%の発言で会話が成立するのが良いといわれている。相手を無視して喋り過ぎる営業マンは未熟といえるだろう。

相手の話に沿って「なるほど」と承認し、「その理由は」と尋ねれば会話は更に発展する。

 

コミュニケーションは相手への思いやり

 

男性と女性を比べると女性のほうがコミュニケーションの取り方が上手である。女性は自分のこと、家族のこと、仕事のことなど洗いざらい話すことがある。話すと同時に相手のことも遠慮なく聞いてくる。

上記の語呂合わせにしたがって話したり、尋ねたりすれば情報量は更に拡大する。これらの情報に自分の関心を重ねれば会話に尽きることはない。

 

聞かれた方は話したくないけれど、嘘をついたり断ったりすればその人との人間関係が壊れてしまうことを嫌い仕方なく質問に答えるが、答えた後にブルーになる場合もある。

男性の場合は相手に対する関心が薄いのか尋ねることが面倒くさいのか、プライバシーに立ち入る質問は少ない。質問が断られると質問をした者がつまらない質問をしたものだと省みる程度である。

 

しかし中には積極的にコミュニケーションを取る高齢男性もいる。毎日銀行に行っては窓口で預金をしていく。銀行にとって預金者は大切なお客様だから失礼な態度は取れない。預金のついでに若い女性社員と握手をしていくのである。

 

近くの銀行を廻りながら毎日預金するお金が良くあるものだと感心していれば、手元現金がなくなるとATMでお金を下ろしているのである。

お客の立場を利用したコミュニケーションの取り方かもしれないが、自己満足の傾向が相当強いと思われる。

コミュニケーションは人が集団生活をする上で必要なものではあるが、相手の立場を無視した方法は結果として友達を失うことになりかねない。

 

長野日報土曜コラム 平成 26 年 7 月 26 日掲載

有限会社テヅカプラニング 手塚英雄

 

 

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