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長野日報新聞「土曜コラム」に掲載中のコラムです。ぜひお読み下さい。
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令和元年からのコラム
平成31年
28. ライフデザイン
29. FPビジネス
30. 新社会人の金融知力
31. 家の取得
32. キャッシュフロー表から始めよう
33. FPワークショップ
34. 本当の保険の見直し
35. FP試験に合格する
37. お金と教育
38. 老後の生活は株価次第
39. 賢く備える老後資金
40. FPとの関わり
平成21年
30 新社会人の金融知力
新社会人は経済的独立
春になるとこれまでの学生が学校を卒業し、社会人として新しい一歩を踏み出します。最近は世界的経済危機の影響で志望する会社に入れなかったり、就職先がなかったりすることがあります。そんな悩みや不安を抱きながらも社会に足を踏み出すことになります。親元から勤務先に通う者もいるでしょうが、社会人になることは親から大きく独立することになります。これまで学生のうちは多かれ少なかれ経済的支援を受けていたでしょう。社会人に成り自ら稼いで生活することは大人になる大きな一歩といえます。親からの経済的な独立とはお金に関してこれまでのように親を頼らないことです。そのためには自分自身でお金を管理することが必要になります。
これから迎える社会人生活ではお金が一生ついてまわります。家賃や電気水道光熱費等生活費に始まり、会社では売上、利益、経費等、税金や社会保険料等国に払うお金などあらゆる物やサービスの提供にはお金を対価として支払います。人生全てがお金で解決できると錯覚するかのようにお金に関わって生活していきます。
学生時代は学用品、授業料、入学金等にかかるお金はほとんど親が出してくれました。アルバイトをして稼いだお金は自分のお小遣いの足しでした。不足した場合は親に頼めば何とかしてくれました。親も子にお金の心配だけはかけまいと、子の要望は最優先に受け入れてきました。家庭教育でお金を勉強することがなかったように、まして学校教育でお金を勉強することはありませんでした。その学生生活が終わった途端にお金を物差しにする経済社会に入っていくことになります。社会人としてお金との付き合い方を学んでおきましょう。
お金の貯め時、使い時
社会に入るとお金をたくさん稼いでたくさん保有している人が勝ち組で、稼ぎが少なくわずかしかもっていない人が負け組みのように思われるでしょうか。負け組みの人を指して、あんなふうにならないように勉強して良い会社には入れるようにしなければならないよと教えられてきたかもしれません。持っているお金が少ないということは、欲しいものが買えない、やりたいことが出来ない、やらせたいことをさせることが出来ないと不自由に感じることがあります。この不自由さがやがて人の考えを卑屈に消極的にさせてしまうかもしれません。
お金は多ければ多い方が良いと思われるでしょうが、今だけ多いのでは心配です。将来に渡り不自由に感じることがないくらいに保有できれば安心です。人が人生でお金を得るのは働いて稼ぐことと老いてからの年金収入が主になるでしょう。仮に60 歳で定年退職を迎えても年金が受給できるのは65 歳からとなりますので、5 年間の無収入期間が生じます。また受給できる年金額は給与収入に比べたらずいぶん少なくなるでしょう。
一方人生における支出は多岐に渡り発生します。人が生きていくためには食費、水道光熱費、住居費等は最低限必要になります。これに住宅、自動車、家具、旅行等のモノやサービスを求めれば、それなりにお金がかかります。やがて結婚し、子供が産まれ子供の養育費は住宅費以上にかかるかもしれません。
給与が毎月入ってくるならば、今月分を今月中に消費しても来月になれば新たな収入が得られるでしょうが、支出は毎回同じように出て行くわけではありません。年収以上の支出をすることがありますので、その分は貯蓄しておかなければなりません。人生にはお金の貯め時と使い時がありますので、人生の途中で資金ショートしないようにバランスを考えなければなりません。
お金を貯める
学生の頃アルバイト代をその月のうちに使ってしまう習慣が身についていれば、給与も同様な使い方になってしまうかもしれません。学生と違って住居費や生活費、通信費、交際費等自分でやり繰りしなければなりません。そして残ったら貯蓄しようと考えていたら、いつまで経ってもお金は貯まらないものです。財布の中に5 万円
があれば1万円ほど使ってもまだ4万円もあり、20%減っただけに過ぎません。大して減ったうちにならないと感じるものです。
世の中には新聞、雑誌、TV 等を通じて消費行動を駆き立てる情報が溢れています。見ていると美味しそう、楽しそう、便利そうと思いついつい購入してしまいます。
売り手は戦略的に消費嗜好を分析し購入に結び付けようとしていますので、無防備な消費者は格好な対象になってしまうのです。
ですからお金を貯めようと思ったら、初めに貯めたい分を差し引いて残りでやり繰りします。欲しいものがあったとしてもお金が足りないので今月は我慢して来月購入する。来月になったら1 ヶ月我慢できたのでもう1 ヶ月我慢してみる。そうしているうちにその物は本当に欲しいものではなくなっているかもしれません。衝動買いはその時の感情が優先しますので貯蓄の敵となるでしょう。
お金を貯めるには使う前に別の場所にお金を移すことが良いでしょう。それには勤務先で財形制度が導入されていれば使用しましょう。自分の給与振込口座に入る前に差し引かれますので、自然とお金は貯まっていきます。財形制度がない場合は給与振込の金融機関でリレー積立を利用します。毎月決めた金額が差し引かれますので、財形制度と同じ仕組みになります。
給与振込口座と別口座で貯蓄を始める場合、その口座はなるべく手の付けずらい、残高がすぐに分からない方が良いでしょう。残高が分かってしまうとどうしても手を付けたくなってしまいます。気がついたらいつの間にか貯まっていたという仕組みが望ましいです。
リスクセンス
学生時代に自分を取り巻く主な人と言えば、親兄弟、先生、友人といったところが大半を占めます。この人たちはあなたをおとしめたり、裏切ったりすることはありません。このような人はあなたにとって味方であり、応援者であるので安心していられる人たちです。
社会人になればほとんどの人が味方とは限りません。親兄弟以上に親身になってくれる上司もいれば、助けてくれる仲間もいます。しかし、一旦意見や利害の対立によりこれまで味方だった人が敵に変わる場合があります。初めからあなたをおとしめようと近づいてくる人もいるかもしれません。
社会に出て多くの人たちとの出会いがあるから面白いことがいっぱいあります。同様に危険なことも学生時代とは比較にならないほどいっぱいあります。多少のすり傷や過ちは誰にもあり、その経験が大人への成長に役立つでしょうが、限界を超えると取り返しが付かなくなります。一生かかっても返しきれない借金や他人に与えた損害、心に残る深い傷等になれば、その後の人生を大きく狂わすことになります。
積極的に挑戦することは望ましいが、無茶をすると破滅につながります。限界は人それぞれ異なりますが、新たなチャレンジにより予想されるメリットと想定外によるデメリットを思い描くことが、リスクセンスの第1歩になるでしょう。
お金を使う
最近の若者はお金を使わなくなったと言われています。就職氷河期を経験すれば今の職が今後ずっと続くと思えなければ無駄な消費は止めて貯蓄に回すことでしょう。その結果自動車を購入しない、あまり飲みにも行かなければお金はその分貯まるかもしれません。
このような人はまだ少数派で多くの新社会人は自動車、洋服、旅行等欲しいものでいっぱいかもしれません。購入するものには欲しいものと必要なものがあります。本当に欲しいもの、必要なものでもすぐにその場で購入せず、1 週間経ってもその気持ちに変化がなければ、そこで初めて購入します。
パチンコ、競馬はギャンブルで当るか外れるかをワクワク、ドキドキすることを楽しむものであり、株式、投資信託は投資でリスクをコントロールしてやがて経済成長の波に乗るものといわれています。また株式投資等は不労所得を得ながら経済の勉強にも役立つので、社会人の間でも人気があります。
しかし、新社会人はこれから社会の仕組みやルールを学びながら生きていくのですから、投資すべきは自分自身と考えましょう。会社内外の勉強もよし、資格取得もよし、身体を鍛えるのもよし、とにかく自身の成長に役立つことにお金を使いましょう。自分の成長に連れお金は後からついてくるものです。おそらくどんな優れた投資口よりも素晴しいパフォーマンスを残してくれるはずです。
長野日報土曜コラム平成21年2月28日掲載
有限会社テヅカプラニング 手塚英雄
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