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長野日報新聞「土曜コラム」に掲載中のコラムです。ぜひお読み下さい。

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損をするのは嫌だから

 

投資を行わない、投資に踏み出さない人は「損をするのは嫌だから」を理由にする。誰だって損は好まない。自分の資産が減り、痛みが伴うことを望む人はいない。

 

自分の資産が減れば、使えるお金が減る。早期退職を夢見たところが、定年を延長して働き続けなければならない。予約していた高級車をキャンセルし大衆車に変えなければならない。ビジネスクラスの航空券をエコノミーに切り替えなければならない。

 

せっかく描いた夢を壊すことになったのは、損をして手元資金が減ったからである。得をしていれば夢を実現し、さらにグレードアップし、楽しみの回数を増やせたかもしれない。

 

最近退職金を運用の結果で変動する確定拠出年金が個人、企業共に導入しつつある。運用商品は数多く揃っているのに多くの人は元本確保型(定期預金タイプ)で運用している。自ら元本確保型を選択したものもいるだろうが、何も選択しなければ自動的に元本確保型が選択される。

 

せっかく運用できるチャンスが与えられたのに、システム設計時に損をさせたら賠償に発展するかもしれないという消極的な思考が投資の芽を摘んでいる。

 

投資は損をすることもあるが得をすることもある。本来損得は50:50なのに損をするマイナス面ばかりに注目する。「悪銭身につかず」「一攫千金」「金があれば馬鹿でも旦那」「金と塵は積もるほど汚い」などお金に関することわざもマイナス面に注目したものが多い。

 

マイナス面に注目するのは、褒められる事よりも叱られることのほうが長く心に留まり、二度としないよう注意すると同じである。

 

これは人が動物と同じように本能を備え、本能は危険に対して敏感である。迫りくる危険に鈍感であれば命を落とし、種は簡単に絶えてしまう。一般にマイナス事象はプラス事象の3倍の威力がある。

 

投資はプラスもあればマイナスもある。マイナスは損失、危険と同様で3倍の威力で受け止められる。いつしか勤労所得は美しく、不労所得は卑しい。貯蓄は安心で投資は危険が定着した。

 

投資をしたために詐欺にあっても同情が得られ難い。金持ちの脱税ニュースは無意識に税務当局の味方になっている。危険に身を投じる不心得者はそれなりの仕打ちを受けても仕方がないということか。

 

安く買って高く売る

 

投資に限らず商売でも儲けるコツは「安く買って高く売る」である。物販において大量であれば安く仕入れられる。スケールメリットを利用すれば利益は大きくなる。限定品のようにカスタマイズされたものは値引きされづらい。いかに安く仕入れいかに大量に高く売れるかが儲けるコツである。

 

投資でも安値で購入し高値で売却できれば儲けは大きくなることは誰でも知っている。ちょうど10年前2008年9月にリーマンショックが発生し、その下落直前の日経平均は12,000円程度であった。

 

その後半年経過した2009年3月に日経平均は約7,000円の大底をつけた。現在の日経平均は23,000円その差約16,000円である。当時700万円投じて1,000株購入していれば、現在では2300万円で3倍以上の値である。

 

毎日3%以上の下落が続く中誰が700万円を投じられるだろうか。正にお金を溝に捨てるようなものだ。こんなとき資産は減らなければよい、真面目に貯蓄に励んだものが報われるという状況であった。

 

米国における高リスクの住宅ローン証券化商品の焦げ付きが、日本で製造業の大量人員削減に発展し、新社会人の就職氷河期に突入した。誰がこんな関連を予想できただろうか。

 

いつが底値でいつが天井か一般投資家には分からないのでプロ投資家の知識を参考にする。投資の経験やスキル、情報はプロ投資家が勝っているのでプロの意見は信憑性が高い。

 

毎年年始にはプロによる株式、為替の予想がされるが、年末に結果の検証が行われた記憶はない。多少の幅はあっても似たような予想をしている。予想が外れれば想定外、100年に一度の事象が発生したと言い訳がましい。

 

プロが自ら将来を言い当てるのは難しい、困難であるといっている。要するに変動する相場でいつどのくらいの山や谷が表れるか誰にも分からない。

 

将来は分からないから変動するものには投資しないという考えが当然生まれる。危険なものには近づかないのが本能による処世術である。

 

長期・分散・積立

 

バブル崩壊、ブラックマンデー、リーマンショック等急激な下落相場は記憶にあるだけでも数多い。人の記憶には好景気より急激な下落のほうが記憶に残る。これも危険に敏感な本能の影響だろうか。

 

下落の最中は永遠に下落が続き、企業が倒産し地域が疲弊しやがて国までも消滅するかのように思える。そんな時投資に対する後悔が募り、いつしか相場を見ることも止めてしまう。相場を気にしなければ痛みを感じなくて済むのである。

 

しかし偶然ニュースで耳にした相場は大底を脱出して知らぬ間に上昇基調に転じていた。下落しても何年かすれば必ず復活するものである。復活した際は下落が始まる前の値を軽々と抜き去ることがある。

 

1990年日本ではバブルが崩壊してから失われた20年といわれ、景気は低迷し金利は下がる一方であった。その間欧米やBRICs各国は成長を継続していた。一国で低迷しても世界を通してみれば成長しているところがある。言い換えると世界全体のGDPは拡大を継続する。

 

成長は直線的ではなく急激な成長の後に調整が入りまた成長する。山と谷を繰り返しながら徐々に成長するカーブを描く。ここに投資における国際分散の必要性がある。

 

安く買って高く売るところはギャンブルも同様だ。外れることが多いギャンブルで万が一に当たったら、その喜びは何物にも替え難い。ギャンブルはワクワクドキドキしながら短時間で興奮を楽しむゲームだからリターンは二の次である。

 

一方投資は長時間をかけコツコツと辛抱しながら適正なリターンを求める行為である。ギャンブルと行為そのものは似ているが、心構えは正反対に位置する。

 

投資というとお金持ちがまとまった資金を下に安く買って高く売るイメージがあるが、投資を始めるのにまとまった資金は不要である。まとまった資金で投資を始めないほうがよい。

 

リーマンショック後株価が下がり10,000円時点で100株買えば100万円を要する。その後下がり続け7,000円時点では資産は70万円で3割ダウンである。資産が3割も減れば多くの人は落ち着いていられない。自分を責めるだけでは足らず、購入に関わった他人に刃を向ける。

 

他人に文句を言ったところでお金が返ってこないのは承知している。騒いでいる自分が格好悪いことも知っているが、とにかく気分を収めるためにやらざるを得ない。

 

仮に株価が8,000円まで下がったところで100株購入したら、もう下がらないだろうという期待は裏切られ7,000円まで下げてしまう。その後上昇に転じても、もう少し待っていれば底で購入できたという後悔が発生する。

 

投資は常に変動するものに資金を投ずるので、自分の行動に全く満足することはない。必ず売買にストレスが生ずるものだ。

 

それではまとまった資金による一括売買ではなく、毎回定額でコツコツと積立投資ではどうだろうか。この方法をドルコスト平均法という。

 

毎月10,000円で投資対象が1,000円であれば10口購入できる。価格が2倍に上がり2,000円では5口の購入である。価格が急激に下落して500円になれば20口購入する。

 

この購入方法では価格が低いときは大量に購入し、価格が高くなると少量しか買わない。平均購入単価は低価格側にシフトするのが分かる。

 

これを実際の投資にあてはめると相場が上昇傾向では既に保有している資産価値は上がり、新規購入口数は絞られる。相場が下降傾向では保有資産価値は下がるが、新規購入口数は増加する。

 

毎月定額を投資することで、相対的に安く購入することになる。相場はいつ上がりいつ下がるか分からないが、売買のタイミングを気にすることもない。何より相場の変動によって精神的に気を揉むことが少なくなる。

 

長期間を通じれば安く買うことができるので、預貯金より利回りが高くなることが圧倒的に多くなる。

 

 

 

 

 

長野日報土曜コラム 平成30年9月22日掲載

有限会社テヅカプラニング 手塚英雄

 

 

145 損をするのは嫌だから

 

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