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24 中途退職者のライフプラン

将来の不安がいっぱい

 

団塊世代の方が40年近いサラリーマン生活を終えて退職を迎えています。60歳以降も役員であったり、嘱託社員としてしばらく企業に残る方も居るでしょうが、数年のうちには無職になり、年金生活が本格化します。

 

これまで社会との関りは企業を通じることが多いでしょう。病気やけがで入院したり、子供が生まれたりしても企業を通じて社会保障を受けていたかもしれません。マイホームを建てる際にも企業を通じて融資を受けられたかもしれません。他にも自分に降りかかった大小のトラブルに対して直接会社に相談しないとしても社内の経験者に相談すれば何らかの答えを見つけることが出来ました。

 

長年働いてきた勤務先を失うということは、単に収入先を失うだけでなく自分の知らないことや困ったことをを相談し、自分のために働いてくれる相手を失うことにもなるのです。特に定年退職となると40年近い習慣から相談先があって当たり前、応えるのが相手の仕事と思い込んでしまうかもしれません。それでも定年退職ならば年齢とともに退職日までのカウントダウンが行なわれ心の準備が出来ます。また仕事から解放された自由な姿を描きながら退職を迎えることが出来ます。

 

しかし、突然のように会社から言い渡される解雇通知には何も準備が出来ないまま退職となります。働き盛りの方であれば、これからの養育費もかかるでしょうし、住宅ローンも残っているかもしれません。会社に否定されたと思い込み自己嫌悪に陥りながら、頼りにしてきた相談相手を失い、さらに収入先が無くなれば夜も眠れないほど不安でいっぱいになります。

 

退職者を支える社会保障

 

健康であれば健康保険料も生命保険料も皆が払っているから自分も払うお守りみたいに受け止めていたかもしれません。保険等に限らず社会保障はこんな時こそ役に立ちます。中途退職者を支える社会保障制度を見ておきましょう。

 

中途退職者の生活を支えるものとして雇用保険の求職者給付があります。求職者給付には自己都合、定年等による一般の離職の場合と企業の倒産や解雇等による場合(特定受給資格者)があります。

 

自己都合で退職した場合は3ヶ月間の給付制限があります。倒産や解雇等では年齢と勤務期間によって給付日数が異なります。勤務年数20年以上で45歳以上60歳未満の方であれば給付日数が330 日になります。

 

給付される額は勤務していた最後の6ヶ月間に支払われた賞与を除く賃金総額を180で除した金額の50~80%となりますが、年齢により上限が定められていて、45 歳~59 歳では7,730 円(平成20 年8 月)が上限となります。

 

基本手当の受給期限は原則として退職した翌日から1 年間となりますので、離職して離職票を受け取ったらなるべく早く職業安定所に行きましょう。なお基本手当は非課税となりますが、社会保険の面では収入と扱われますので、130万円を超える額を受給している間は「被扶養者」に該当せず、国民健康保険と国民年金に加入することになります。

 

けが、病気や万一に備えて健康保険の手続きも必要となります。退職者の健康保険には大きく3 種類あります。1つ目として退職した日までに健康保険の被保険者期間が継続して2ヶ月以上ある人は任意継続被保険者となることが出来ます。退職日の翌日から20日以内に手続きをして2 年間加入が出来ます。

 

ただし保険料は全額自己負担になりますが、標準報酬月額は退職時の月額と全被保険者の平均額のどちらか低い方となっていますので、定年退職者等には有効かと思われます。

 

2 つ目としては親族、配偶者の被扶養者となることです。ただし年収が60 歳未満は130万円未満かつ扶養者の年収の1/2 未満であることが必要となりますので、失業給付の額によっては対象者になれませんが、保険料負担もなく経済的には有利な選択です。

 

3 つ目としては国民健康保険に自らが加入することです。保険料は市町村により異なりますが、所得割・資産割・均等割・平等割によって掛金が決定します。限度額は医療分53 万円、介護分(40~60 歳)9万円となっています。中途退職者の多くがこれに該当するでしょうが、退職日の翌日から14日以内の加入手続きとなります。

 

健康保険と同様に国民年金の手続きも必要です。配偶者がサラリーマン等であれば第3号被保険者として保険料の負担はありません。多くの場合は第1 号被保険者として保険料月14,410 円(平成20 年4月から)を14 日以内に市町村の国民年金窓口に支払います。また、退職者に扶養されている配偶者が居れば同様の保険料を支払うことになります。

 

サラリーマン時代は各種社会保険料等が給与から自動的に引き落としがされていましたが、退職すると自ら全てを行なわなければならないのです。収入が減少した時期の各種保険料負担は重いですが、将来の老後を思うと必要経費と思わざるを得ないでしょう。

 

将来を見通すキャッシュフロー

 

仕事を失いこれまでほとんど経験の無い煩わしさだけが残りとても不安な状態でしょう。特にこれから養育費がかかり、住宅ローン等も残っていればこの先どうなるのか、まさに暗闇を無灯で走っている気分です。この先ど

うなるのか分からない時が最も不安です。基本手当の給付が打ち切られ再就職先も見つからなければ、やがてこれまでの蓄えも底を着くと考えると、この場を逃げ出したくなる気持ちです。こんなときこそ現状をしっかり見つ

めて、これまでとは異なる生活を送る覚悟が必要となります。

 

キャッシュフローは可処分所得(収入-所得税・社会保険料)から日常生活費等を差し引いた単年度収支にこれまでの貯蓄残高を加え、連年で貯蓄残高の推移をみていきます。キャッシュフローの作成にはまず家計簿を元に支出内容のチェックです。

 

これまでの支出内容はこれまでの収入に応じた支出になっていることでしょう。長年の継続により無駄な支出がいつしか必要経費に変わっている場合があります。支出項目を一つずつ本当に必要なのか検証していきます。

 

そのためには支出項目を支出金額の大きい順に並べます。そして大きい順にその支出は省くことは出来ないか、他のものと一緒にすることは出来ないか、反対に分割することにより総合的に節約できないかを検討します。これまでの豊かさに一旦慣れてしまうと、節約行為はとてもつらい行動です。でも節約生活をしばらく続けるとやがてこちらにも慣れが生まれて、これまでの生活が無駄でもったいない生活だったと気付くことがあります。節約できない理由を考えるより、まず行動してどうしても駄目だったら修正していくくらいの気軽さがあったほうが良いでしょう。

 

もしかしたらこれまで家計簿を付けていなかった方がいるかもしれません。それならば家計を見直すのにちょうど良い機会になります。銀行口座から引き落とし内容をチェックし、送付される請求書、日常発生する買い物のレシート等を元に支出内容を確認するのです。節約する項目と金額によって緩いものからきついものまで複数案を考えると良いでしょう。そしてこの案に従ってキャッシュフローを作成します。

 

再就職先が決まっていなければ、収入金額は未定になります。これまでの収入金額にとらわれることなく、いくらだったら遣り繰りできるか見つけましょう。収入金額は退職者本人の金額だけでなく、配偶者の収入変化も考えられるでしょう。

 

支出項目で大きな金額を占めるものとして保険、住宅ローン等があります。保険では同じ保障額でも積立部分を減らし保障重視型に変更すれば保険料は減らせるでしょう。住宅ローンは退職金を用いて繰上げ返済を行ない、月々の返済額を減らすもしくは利息の返済のみにして急場を凌ぐ方法が考えられます。

 

知恵を絞り行動し、そして考えることを繰り返せばあなた自身の方法が見つかるでしょう。実行はやがて自信に変わり、当初抱いていた不安はいつしか消えていることでしょう。現状を冷静に客観的に受け止めることはこの時期とても大切なことです。

 

ピンチはチャンス

 

中途退職を余儀なくされるとどうしても被害者意識を感じがちです。自分は悪いことをしていないのにこんな仕打

ちを受けて不幸で可愛想だと思ってしまいがちです。しかし、元の職場にはもう戻れないのです。新しい仕事を求

めて自らを切り替えなければならないのです。この際自分にどんな仕事が出来るのか、また家族の将来を真剣に考

えるでしょう。煩わしいと感じる社会の仕組みを理解すると、これからはもっと賢く生活する術を身に付けようとするでしょう。

 

新しい仕事では収入は以前より少ないかもしれません。以前は先輩、同僚の行動を規範に行動してきたかもしれませんが、これからは自身に与えられた仕事に正面から向き合い、自身と家族の将来を考えながら独自の生活設計を立てることになるでしょう。

 

今回の中途退職は自身にとっても家族にとっても一大事です。この一大事を乗り切ることで自身がより強くなり、家族がより深く結びつくことが出来るチャンスといえるでしょう。

 

長野日報土曜コラム平成20年8月23日掲載

有限会社テヅカプラニング 手塚英雄

 

 

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