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25 親から子に伝えたい資産設計

子に譲るものは教育と資産

 

親が子に残すものとして教育があります。成績優秀な子は偏差値も高く優良企業に就職でき、資格を取得して起業することにより高収入を得ることが出来ます。どのような仕事に就けるかは子の偏差値により大きく影響され、得られる生涯収入は仕事によって異なります。

 

子に対する教育は生涯収入を高めるだけではありませんが、豊かな生活をさせるために親は惜しみなく子に高度な教育を受けさせようとします。教育は働いて稼ぎ出す勤労所得を高めるには有効ですが、親から子に譲る資産の管理・保全は学校教育だけでは不十分と言われています。

 

私たちの日々の生活にお金は欠かすことの出来ない道具です。道具というには若干違和感を覚えるかもしれませんが、時には資産に形を変え保有されます。人が死を迎えますと相続によって資産は次世代に受け継がれまが、受け継ぐ側は突然降ってきた資産には、さほど愛着を感じることもなく消費することがあります。この資産額が多ければ受け取り側は自らの労働を放棄して浪費生活に興じるかもしれません。

 

お金は困っているとき、夢や希望を成し遂げようとしているときには大きな力になりますが、目標もないとこ

ろに降りかかる大金は人生を狂わせる力として働きます。

 

子のライフプラン

 

子が社会人となり自らの生活設計を考える上で3 大資金(養育、住宅、老後)を想定しなければなりません。多様化する現在全ての方が同様のライフスタイルにはならないでしょうが、各資金3,000 万円とすれば合計で1 億円になります。

 

生涯収入が2億円とすれば、3大資金に半分を費やすことになります。養育、住宅、老後等のバランスを考えないと収支が赤字になりかねません。大きな支出がある場合単年度収支の赤字は時としてありますが、毎年赤字が続いて貯蓄残高がマイナスになるようでは将来が心配です。

 

子が困っているからといって親は安易に支援してよいのでしょうか。子が住宅を取得する際に支援する親は多く見かけられます。相続時精算課税制度による贈与は住宅取得において1,000 万円上乗せして3,500 万円まで認めています。

 

一度支援された子は困った場合は次の機会にも親から支援があると期待するかもしれません。だからといって相続にまとまった資産の譲渡は子の生活設計を狂わしかねませんので、いつどのくらい支援するかは悩ましい課題です。また親は年金生活に入れば収入は限られますし、将来の年金、介護、医療制度の状況によっては将来負担が増えることもありますので、気前よく資産を譲り渡すことが出来ません。

 

金銭感覚は経験による

 

学校教育ではお金の勉強をして来なかったことは、子ばかりでなく親も同様です。親はこれまでの経験を通じてお金、資産の特徴を身に付けてきました。これまで想定外の出来事に対処するにはお金が必要ということを知っています。また想定外の出来事を発生しないよう日頃から注意を払って生活しています。

 

今から15年以前のバブルの時代には預けていたお金が10年で2倍になったことを覚えています。これは預入れ金利が7.2%であれば、ちょうど10 年経つと税引き前価額で2 倍になる72 の法則があります。当時は株や不動産を売却できていれば、さらに大きな利益を手にすることが出来ました。

 

しかし、株式を保有していた方は今売るのは時期尚早と思っているうちにバブルは弾け、株価は1/5になってしまいました。おそらくあの時売却していればと後悔された方も多かったと思われます。同様に土地を保有していた方は不動産会社から破格の値段で売却話が舞い込んだかもしれませんが、先祖から譲り受けたものと頑なに断った方も後悔しているかもしれません。

 

このようにお金に関する感覚は人生の苦い経験を味わいながら、あの時こうしておけばよかったと反省し勉強しながら磨かれてきました。

 

お金の特徴

 

お金の特徴としてかつてお金が存在しない時代は互いが必要とするものを物々交換で取得しました。しかし、これでは自分の持っている物の種類は僅かでも必要な数多くの物を取得することが出来ません。そこでお金というものが開発されたことにより、自らは1 種類のものを大量に生産してお金に換えれば数多くの物が取得できますし、社会全体の効率も上がります。

 

物を保管しておけばいつしか劣化、消耗しますが、お金では劣化もなければ貯蔵するに場所もわずかで足ります。また、お金の大小がものさしの役割となり、物と物とを比較することが出来ます。

 

お金は硬貨や紙幣で出来ていますが、それ自体に価値はありません。日本であれば日本銀行が発行している紙片ですが、誰もが間違いなく紙幣と信じていますので安心して受け取ってもらえます。

 

物は時間の経過とともに劣化しますが、お金は金融機関に預けたり、金融商品に形を変えることにより時間とともに増加していく特徴を持っています。当たり前のことですが、真剣に考えると不思議な代物です。

 

負債返済はノーリスクハイリターン

 

住宅やマイカーなど高価な買い物をする場合、まとまったお金が必要になりますので、一括で支払ができないことがあります。こんなときに利用されるのが金融機関のローンです。ローンはお金を借りていますので、借入残高に応じて利息を払わなければなりません。

 

借入には一定の返済期間は返済額合計が変わらない元利金等返済と毎回均一の元金を返済する元金均等返済があります。まとまったお金が出来たら、借り入れている元金を返済すればその分利息を払わなくて済みます。返済に充てた元金に対する利息を利回り計算すれば、相当の利回りになります。下手な投資を行うよりはるかに安全確実に効率の良い資金運用になるでしょう。

 

月々の返済は出来るから、貯まるまで待てないから分割払いを選択すると、返済額に占める金利分は知らないうちに大きな金額になります。かつては貯蓄は「善」、借金は「悪」と感覚的に受け止められていましたが、現在は気軽にお金が借りられる環境があり、個人の欲求が高度化しているので、しっかりした金銭感覚がより必要になります。

 

金融資産と不動産資産

 

勤労により稼いだお金はそのまま現金で金庫に保管されることは少ないでしょう。お金は銀行に預けられたお金やその他金融商品に投資された金融資産と土地や建物などの不動産資産に形を変えます。

 

金融資産には、現金化が容易であるかの「流動性」、投資元本の値上がりや利子が期待できるかの「収益性」、元本及び利回りが確実であるかの「安全性」があります。

 

この 3 つの特性を高度に満たす金融商品はありません。仮に収益性を求めれば流動性と安全性は損なわれるものと理解しておきましょう。現在経済成長率が2%で10 年物国債利回りが1.5%であれば、これらを上回る金融商品は安全性が犠牲になっていると言えるでしょう。

 

安全性が損なわれるとは、元本や利子が減少することもあれば増加することもあります。このような将来の不確実性のことをリスクといい、人によって受け入れられるリスクの大きさは異なります。社債や株式を発行している会社が倒産すれば、資産価値はゼロになりますので、リスクのある金融商品投資は余裕資金で行なわなければならないといわれます。

 

不動産資産の主に土地はそのまま保有していれば、固定資産税等の税金が発生しますので何らかの事業を行い活用が求められます。事業が農業であれば土地を田畑として耕作して農作物を生産します。

 

小売業を営んでいれば土地の上に店舗を建て商売をします。

これまで営んでいた事業を周辺環境の変化や後継者不在などから廃業しても土地は残ります。こんなとき税金だけを払い続けるのはもったいないので、土地活用を考えるでしょう。土地活用の基本は「売る」「貸す」「建てて貸す」の3 種類があります。

 

土地を売るには買手が必要であり、売れればまとまったお金が入ってきます。一旦他人に貸せば自分が使用したいと思っても簡単に取り戻すことは出来ません。建物を建てて貸せば月々家賃収入が得られますが、大きな負債を負うことになるかもしれません。それぞれ一長一短がありますので、自らのライフプランに合わせ慎重に検討することが求められます。

 

親と子の資産設計

 

資産は長年大切に育てていくところは子と似ているかもしれません。子はやがて親から独立し、自らの家庭を築きます。資産は相続や贈与によって譲り渡されますが、子にとって突然の資産移転がプラスに働くこともあればマイナスに働くこともあります。

 

何もメッセージを残さず資産だけを残していく親がいますが、資産の獲得をめぐりこれまで仲の良かった兄弟が口も利かなくなることがあります。これは親として決して望むべきことではないので、譲る資産に親の思いを添えるのが良いでしょう。

 

子は譲り受けた資産の形をいつまでもそのままに留める必要はないでしょう。時代に応じて、必要に応じて形を変え、時には消費されることもあります。ただ消費の目的が子にとって家族にとって有効な選択であれば親は資産を譲り渡して良かったときっと喜ぶことでしょう。

 

長野日報土曜コラム平成20年9月27日掲載

有限会社テヅカプラニング 手塚英雄

 

 

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