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長野日報新聞「土曜コラム」に掲載中のコラムです。ぜひお読み下さい。

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何故、何故、何故

 

あなたにとってこれまでの人生で最大の苦境は何だったでしょうか。苦境というから日常に起こる想定外の出来事よりはるかに一大事である。自分一人だけの能力では処理しかねる状況であり、耐え忍び克服するには非常な努力を要する。

その困難な状況はじっとしているだけでは簡単に過ぎ去ることはなく、長時間に渡り不快で辛い状態が続く。もしくはその苦しい状況が限りなく続くと思えてしまう。

 

お金が不足して苦しむ状況を生活苦、借金地獄、サラ金地獄といい、現状の生活環境から苦しむ状況を通勤地獄、介護地獄、人間関係では破局、別離、死別などがある。

さらに偶然の事故や災害により想定外の事象が生じ、その場に立ちすくむ。先ほどとは全く状況が異なる緊急事態なども苦境といえるだろう。

 

苦境に陥れば頭は混乱し、整理が出来なくなり、何から手をつければよいか判断できない。新たな決断が怖くなり、右往左往しながら先送りをする。袋小路に迷い込み身動きが取れなくなる。

苦境は精神的苦痛に留まらず身体にも影響が及ぶ。睡眠不足、食欲不振、血圧と心拍数の上昇、腹痛などの症状が現れる。消費されるエネルギーとともに時間の浪費も膨大である。

 

頭の中では同じことがぐるぐると堂々巡りして前に進まない。何もしていないのに頭と身体は非常に疲れ、時間だけがいつの間にか過ぎてしまう。

こんな状況で頭に浮かんでくるのは「何故、何故、何故」かもしれない。「何故、自分だけにこんな不幸が訪れるのだろうか」「何故、他人からお金を借りなければならないのか」「何故、妻は自分から離れていったのだろうか」同じことが行ったり来たり、堂々巡りをしているだけである。

 

人は失敗したり、欲求が満たされない、想定外の結果が現れた場合は「何故」と問いかけ、問題の原因を探り、予期しない結果を理解しようと努める。

原因が解明され、改善されることが進化である。人間が最も進化した動物であるのは、数多くの苦境を乗り越えた結果である。本能的に「何故」を問いかけ解決してきた結果である。

 

思考の分析

 

苦境といえば長い人生の中で数え上げられるくらいだろうが、想定外の出来事、ストレス、ケアレスミスなどは数え切れないほど発生する。こんな時も苦境時と同様に堂々巡りをして前に進まないことがある。苦境に陥ったときには気分転換を図り息抜きをしながら冷静に考える行動が求められる。

ところが堂々巡りをするのは、目の前の状況からひとつの思考が生まれ、その思考が頭から離れないので、同じことばかり考えてしまう。自分の先入観、固定観念が行動を制限していることに気付かなければ堂々巡りからは脱せられない。

 

頭の中を占領している思考に気付くには、自分で問題を投げかけ自分で答えを見つける方法がある。「何を根拠にその結論に達したのだろうか」「その結論は確かなものだろうか」「それとも自分の憶測に過ぎないか」自分が早とちりをしていないか確認する投げかけである。

 

「全体的な状況を見ての公平な判断であったか」「全体像はどのようなものか」「このひとつの側面は全体像にとってどのくらい重要だろうか」視野が狭くなっている場合があるので、全体を意識させる投げかけである。

「自分以外の誰か、あるいは何かがこの状況に加担したことはないだろうか」「問題のうち自分のせい、相手のせいはどのくらいか」自身の責任に縛られている場合は他の影響にも意識を働かせる投げかけである。

 

堂々巡りはひとつの思考に凝り固まっている状態なので、新たな投げかけにより意識を別な方向に向け、多面的、複合的に捉えられるようにすることが求められる。

論理的、客観的に言えばその通りだが、人の思考は幼少期からその生活環境を通じて形成されるので、容易に別の思考を受け入れるのは難しい。

 

自身の長期に渡り形成された思考は大きく3つに分類される。1つに「達成思考」である。達成指向の人は成功は人生の中で最も重要であると考え、成功への強い願望を持つ。自ら高い基準を設け、自らのミスや不完全さに過度に意識が向いてしまう。

2つに「受容思考」である。人から好かれ受け入れられ仲間にされたいという欲求が強い指向である。対人関係における軽視やいざこざを人一倍気にかけ、過剰に反応する傾向がある。このような人は早とちりしがちで思い過ごしや勘違いを起こしやすい。

 

3つに「制御思考」である。自分の問題を制御できないのは自分が弱いせいであり、他人に助けを求めるのは自分自身で責任を持っていないからと考える。責任感は強いが、自分が何でもコントロールできると思う傾向がある。

 

思考を変える

 

日頃から自分はどの思考が根底にあるかを知っていれば、対応しやすくなるので知っておく必要がある。しかし、目の前に苦境が生じていれば自らの思考の分析など行う余裕はない。まず落ち着きを取り戻し思考の分析に入れる状態になることだ。

リラックス状態とストレス状態は性質上相反するため、身体はどちらかひとつの状態にしか成り得ない。よって2つの状態を同時にひとつの身体で経験することは出来ないといわれる。これは身体をリラックス状態にすれば頭もリラックス状態に成れるということである。

 

身体をリラックス状態にするには、呼吸法が適当である。鼻から息を大きく吸って鼻から吸った息を吐ききる。横隔膜が大きく動かしながら意識は呼吸に集中する。頭の中を空にする。この動作は座禅やマインドフルネスと同じである。

呼吸法に続いては筋肉弛緩法である。拳を強く握って緊張したら、次にはゆっくりと脱力しながら緩めていく。次いで腕、足、腹、背中と部位を変えながら緊張と弛緩を交互に繰り返す。呼吸法とあわせて行うとより効果が上がる。

 

身体がリラックス状態になったら、最後にイメージトレーニングである。苦境を目の前にしてネガティブ思考に陥っているので、なるべくポジティブなイメージを描くのが良い。

目を閉じ、心が静まってリラックスできる状態で心地よく、安心でき、幸せな気持ちになれる場所をイメージする。

 

それが山であれば、川の水が流れる音、木の葉が風に揺れ木漏れ日が動く様子、鳥のさえずる声、時々吹くさわやかな風などをなるべく詳しく具体的にイメージするほどリラックスできるといわれている。

リラックス状態になる行為は「ヨガ」そのものである。苦境に陥ったから行うのではなく、日頃からヨガに親しんでいれば、苦境に至る前のストレス状態で舵を切り替えることができるかもしれない。

 

そしてリラックス状態になれば自身に対する投げかけも受け入れやすくなるだろう。ポジティブなアイデアが浮かんでくれば八方塞の状態から抜け出しやすくなる。凝り固まっていた思考が解きほぐされていく。

そこで新たな行動を引き出すために、現在の事象を大局的に捉え、更に自身に投げかけてみる。「最もあり得そうな結果は○○○であるが、私はその結果に対処するために□□□をすることが出来る」と答えれば、そこに踏み出す一歩が見えてくる。

長野日報土曜コラム 平成29年3月30日掲載

有限会社テヅカプラニング 手塚英雄

 

 

127 苦境を乗り越える

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