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長野日報新聞「土曜コラム」に掲載中のコラムです。ぜひお読み下さい。
平成26年
平成27年
平成28年
平成29年
平成30年
令和元年からのコラム
平成31年
65. やがて結婚したくなる
66. 愛ある結婚
67. 結婚しない男性
68. 結婚できない女性
69. 生涯未婚
70. 離婚に学ぶ結婚
71. 熟年離婚リスク
72. 争族は親の無責任
73. 相続では間に合わないこと
74. 楽して儲かる仕事
75. 適当でいいじゃないか
76. 仕事ができる人は幸運を招く
平成24年
66 愛ある結婚
本能の愛
結婚は自分で判断できる人生最大のイベントである。子供が欲しいから結婚をするという人は稀だろう。
動物として生殖活動を行なうことは、結婚の一部かもしれないが、男女の結びつきにはいくつかの「愛」が存在する。
既婚者にパートナー選択の理由を尋ねると、初めて合ったときにピピッときたとか、第一印象が良かったとか答えが返ってくる。これは人が瞬時に本能によってパートナーを選択したことになる。
インターネットのサイト上では恋人選びの選択基準は、背が高い人、優しい人、清潔感のある人である。
特に男性は「きれい」「可愛い」「セクシー」「グラマー」などをあげている。これは女性の身体的魅力が繁殖
力に関係することを本能的に言い表している。
次なる基準は表情やしぐさ、声質、言葉遣い、におい等である。これは人間の5 感で受け止められるものである。笑顔が素敵な人を好まない人はいない。相手が笑顔であれば、自分にとって敵ではなく味方と判断し安心できる。
また美人や美男子は優位である。美人コンテストは主観によると思われるが、優勝者はやはり美しい。
人間には共通した美意識が備わっているといわれる。
ハーフに美人や美男子が多いように思われる。これは人類学者によると、人間の顔の美しさは平均にあるとい
う。複数の顔を合成して平均化すると元の顔より魅力的な顔になるという説がある。人はその平均値を本能的に
美しいと判断している。
顔以外にも女性が髪をかきあげるしぐさにグッとくる男性もいるだろう。しかしどんなに美人でも強すぎる香水は
許せない場合がある。洋服や持物のセンスなどから相性を判断することがある。
結婚したいという欲求があれば、言葉を交わす前から第一印象で相手の本能に訴えられるということだ。
すなわち一目惚れの誘引である。
容認の愛
第一印象は結婚にいたるきっかけになるが、更なる愛の形が必要になる。それは会話を通じて互いをもっと知ることが必要である。
全く喋らない、もしくは一方的に喋ってばかりいると、相手のことが分からない、また自分の事に関心がないと受け止められる。せっかく芽生えた恋心に水を指すことになる。
相手の話を聞くときはうなずきながら聞き、相手の話題に沿って聞き返す。今度は自分が話しをする。
会話を通じたコミュニケーションで互いの距離が少しずつ近づいていく。
会話を通じた自己開示には勇気がいる。こんなことを話したら相手がどのように受け止めるか心配である。しかし相手がしっかり受け止めてくれたら、二人の距離はさらに近づくことになる。実際に二人の関係が知人、親友、恋人と発展するにつれ互いの自己開示は広く、深く、強くなっていく。
自己開示には性差があるといわれる。男性が積極的に自己開示するのは、相手の女性と親密になろうとする努力の現れであるが、女性は自己開示によって日頃のストレス発散を行っている場合がある。
確かに女性は自己開示を平気に誰とでも行なう傾向がある。買い物途中に偶然出会った友人との会話は簡単な挨拶の後に自己開示の応酬である。重い荷物や子供、亭主を忘れ延々と続いている。
さらに相手と親密になろうとするならば、相手を否定してはいけない。人には自己肯定欲求があるので、肯定されれば好意を感じ、否定されれば嫌悪を感ずる。女性から些細なことでも「スゴーイ」「カッコイイ」などと誉められると男性は調子に乗るとともに相手に好意を抱いてしまう。
誰も誉めてくれないので、自画自賛しても不十分であり、人から承認や称賛されてはじめて自分の欲求が満たされるのである。
好意の返報性といって相手から好意が寄せられると無視できず、バランスをとろうとする性質がある。好意のギブ&テイクである。いただき物にはお返しをしたくなる。相手に好かれようと思ったら、先に好意を示せば好意が返ってくる。
年とともに夫婦は似てくるといわれるが、似た者同士が夫婦になることが多い。趣味嗜好、意見、スタイルなど似ていれば当然相手と共感し受け入れやすい。誉め言葉も自然と出てくる。相手を誉めることは自分を肯定することにもなる。そうすれば安心していられるし、居心地が良ければ結ばれる可能性は極めて高くなる。
相互の愛
結婚後の愛の形は結婚前と多少変わってくる。本能の愛においては、相手を占有する立場になったので、意識的に相手の気を引こうとする努力は減少する。身体は年齢を重ねれば若い頃のはりや輝きは衰えてくる。容認の愛においては、結婚すれば四六時中一緒にいることになる。好意によって見えなかった部分が見えてくることもある。
結婚生活が長い人の話によれば、夫婦でいい関係を保つには互いに役割を認識しながら、助け合うことだという。例えば夫は外へ仕事に行き、妻は家で家事・育児を行なうことである。最近は共働きが当たり前であり、父親のイクメン教室なるものが行なわれている。
男女を比べれば男性のほうが労働エネルギーを多く持っている。女性は出産で仕事を中断せざるを得ない。女性が補助的に稼ぐなら良いが、家計のある程度を賄うようになれば、中断もままならない。また収入の多寡で比較すると、仕事以外の役割や労働に対して相手を認めづらくなる。
妻の就労いかんに問わず互いが感謝の気持ちが大切になる。仕事をして稼いできてくれてありがとう、家事・育児をしっかりこなしてくれてありがとうと言えるとよい。このように言えるには互いの理解と忍耐が必要になる。
の将来のために貯蓄しなければならない。妻の愛情はほとんどが子に向かうため夫は我慢をしなければならないこともある。
愛と欲求
愛情と人の欲求は似ているところがある。人を好きになるとか生殖本能は「生理的欲求」と同じである。
人が持つ本能や衝動に起因している。
相手の言葉やしぐさに共感し居心地が良いと感ずるのは、「安全の欲求」と同じで、脅威や危険に自らの身を置かないことである。
互いに共通の趣味を持ち、共感し自分を受け入れてくれることは、「所属と愛の欲求」と同じである。夫婦となり子が産まれ家族ができることで絆が生まれ、孤独から開放される。
夫婦が互いの役割や価値を認め、尊重しあうことは「承認(尊重)の欲求」と同じである。この欲求が満たされないと劣等感や無力感を覚えるので、夫婦は常に相手に誉め言葉を送るのが良いといわれる。5番目の欲求として「自己実現の欲求」がある。人はこの欲求が満たされると大きな喜びを感ずる。あるがままにあるもの受容することである。
「存在欲求」とも言われるが、これを満たすためには忍耐や感謝は必要条件となるだろう。
結婚するには愛が必要になるが、結婚後はさらに高度な愛が必要になる。わがままで短気で思いやりに欠ければ、相手を傷つけることになる。同時に自分も傷つくことにな
る。
一方わずかな忍耐と感謝の気持ちをもって接すれば、大きなトラブルに発展することもない。長い人生では想定外の出来事は必ず発生する。独りでは受け止められないことも、二人では分散して受け止められる。いくつもの苦難を乗り越えた先には今まで感じたことのない喜びが必ずあると信じる。
長野日報土曜コラム平成24年2月25日掲載
有限会社テヅカプラニング 手塚英雄
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