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79 仕事だからしょうがない

 

仕事のウエイトが高まってきた

 

長期のデフレが続き雇用が縮小するなかで、生活に対して仕事のウエイトが高まっている。正社員と派遣社員では生涯賃金が2 倍の差がついている。

 

だから一度正社員として採用されたら、どんな事があろうと正社員で居続けようとする。職場で理不尽な事が多少あろうとも波風を立てず、耐え忍ぼうとするだろう。自分に適した仕事を探そうとしても、世の中にある全ての仕事を経験できるわけではないので、今いる場所で頑張らざるを得ない。周りの人はもう少し辛抱したらと促し、それが自身の成長につながるとアドバイスする。

 

こうなると社員は上司の機嫌が気になるところだろう。後輩や同僚以上に上司に気に入られることが、現状維持を保ちつつ同時に昇進の道を広げる術となる。

 

生活するためにはお金が必要であり、お金は仕事によってもたらされる。また仕事は地位や名誉、生き甲斐にも結びついている。

 

生活のためにする仕事と思っていたのが、いつしか仕事が生活の領域を脅かし、仕事・会社第一主義に変わっている。仕事のためなら何でもし、自分の全てを仕事に捧げる状態になっている。

 

仕事だからしょうがない

 

「仕事だからしょうがない」あなたはこれまでにこの言葉を何度使ってきましたか。またどんな時に使ってきましたか。意識もせずに何度となく使ってきたかもしれない。

 

子供が小学校、中学校に通っているときにはPTAの役員が回ってくる。順番だからしょうがないとして引き受けるにしても、会長は出来ないが副会長ならば引き受ける。クラスの役員ならばしょうがないが、学年の役員は勘弁して欲しい。

 

年齢を重ねると今度は地域自治会の役員が回ってくる。役員に名前を連ねるくらいは良いが、行事参加は会社が休日で出られるときしか出られない。自治会各部門の責任者など到底引き受けられない。

 

自分などが引き受ける年齢にも達していないし、その器でもない。

そんな言い訳で許される場合もあるかもしれないが、順番だから仕方がない。今年はあなたの順番だ。

前任者もそういいながら引き受けてくれた。などと迫られれば断る理由はなくなる。

 

無下に断れば学校で子供に悪影響が及ぶかもしれない。地域との関わりは火事や災害のときなどの助け合いが得られなくなるかもしれない。

 

それでも引き受けられないとして、仕事を休むことは出来ないという理由をあげる。こんな時期に仕事を休むことにでもなればリストラされかねない。そうなったら学校や地域は何とかしてくれるのかと開き直る者もいるだろう。

 

サラリーマンは時間が拘束されているが、自営業者は時間の自由が利く。自営業者にやってもらえばいい。サラリーマンには無理である。

 

一方自営業者にも言い分がある。サラリーマンには休んでも給与が支給される有給休暇があるが、自営業者にはそれはない。行事で時間が取られた分仕事が出来ないので売上や利益が減少する。まさに死活問題に直結する。

 

どちらにしても仕事を切り札とすれば、その場は何とかしのげるかもしれない。この仕事という紋所が目に入らんか。頭が高い。控えおろうという水戸黄門での名せりふとどことなく似ている気がする。

 

ワークライフバランス

 

ワークライフバランスとは、仕事と日常生活を調和させ、誰もが働きやすい仕組みを作ることである。これに対して国や企業が施策を打ち出している。

 

国としては少子高齢化に伴う労働力の低下、団塊世代の介護要員確保、年金制度の担い手等のニーズがある。具体的に行動指針として週労働時間の減少、年次有給休暇の完全取得、男性の育児休業取得率の向上などが挙げられる。

 

企業としては優秀な人材確保、労働力の流出防止等のニーズがある。企業としては国の出した行動指針に則り、整備を進めている。

 

これまで従業員を安い賃金で長時間働かせることで企業が利益を得られると考えられていたが、従業員が疲労を溜め込み精神疾患になれば賠償問題に発展する。また、病気や家族崩壊による欠員は企業にとっても大きな損失であると考えるようになった。

 

そこで仕事と生活の調和を図ることで、従業員がやりがいや生き甲斐を感じながら仕事に臨むことが出来る。この流れはまだ強くないが、国や企業ばかりでなく個人にとって朗報である。

 

定時に帰らなければならないと思えば、仕事の段取り、進め方に工夫が生じる。遅くまで残業しなければならないと思えば、仕事の効率などあまり考えない。残業すればその分残業手当が支給されると消極的な発想になる。

 

個人の意識だけでなく、仕事をチームで取組むことが求められる。誰かが休んだとしても他の者が引き続き仕事を進められるにはコミュニケーションが重要である。

 

かつては個人の頭の中にしかなかったアイデアや業務進行状況は、IT技術が進んだおかげで共有することが容易になった。今後この流れがどのように発展するか興味が湧くところであるが、松下幸之助氏の言葉である「企業は人なり」に通じるものがある。

 

仕事も家族も地域も

 

ワークライフバランスを取り入れる会社は中堅以上の企業かもしれない。企業の発展を長期的に考えれば必要なことは分かっても、実際に取り入れようとするには費用が発生する。企業にその余裕がなければ実現は難しくなる。

 

たとえ会社で定時帰宅を進めても、個人が帰宅後の時間を有効に使うとは限らない。真直ぐ家に帰ることなくギャンブルや飲みに行ってしまうだけなら意味がない。これまでの給料から残業が減った分を補うためにアルバイトをしたら、名ばかりのワークライフバランスになってしまう。

 

男性にとって会社にいるときは仕事で家に帰れば仕事以外の生活になるかもしれない。しかし、働く女性にしてみれば会社でも仕事、家でも仕事である。夫婦で家事、育児の分担がされなければならない。

 

最近では「イクメン」という言葉があるように、育児を積極的に行なう夫が現れてきた。夫婦で共に働いているならば当然のことかもしれない。このような家族にはワークライフバランス制度は願うところである。

 

まだまだ個人の意識の中では、俺が主役で稼いでいるとか、金額の多寡で労働を評価しようとする者もいるだろう。誰のおかげで毎日の食事が出来るんだ、誰のおかげで学校に行けるんだ、誰のおかげで年金で豊かな生活ができるんだ、と言っているようでは今時のイクメンにはなれない。

 

これまで学校や地域に対して「仕事だからしょうがない」と言い訳を連発してきた者は、おそらく家族に対しても「仕事だからしょうがない」と言ってきたと思われる。もちろん仕事は大切であるが、家族も地域社会も大切である。

 

会社を退職して家族や地域にすり寄っていっても今更温かく迎えてくれないだろう。中高年になったら仕事に注いできたエネルギーを少しは家族や地域に向けてはどうだろうか。複数のことに目を配るのは大変なことかもしれないが、やがてわが身を救うことになると思う。

 

長野日報土曜コラム平成25年3月23日掲載

有限会社テヅカプラニング 手塚英雄

 

 

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