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89 物より思い出

新車購入から3年

 

今から3年前景気が減退している際にエコカー減税が行なわれていた。円高というのにガソリン価格は高く、温暖化防止が今以上に注目され、省エネルギー施策が盛んに行われていた。

 

そんな背景もありエコカーを選択購入した。試乗してみると電気で稼動しているときは静かであるが、一旦エンジンで稼動すると騒音が気になった。またアクセルペダルを踏み込んでもスッーと発進するだけで加速感は味わえない。

 

実は選択した車両ではなくワンランク上の車両を購入したかった。これは室内の高級感もあり加速感も十分楽しめた。カタログの隅から隅まで目を通すほど大変気に入っていた。

 

ところがワンランク上のため価格もそれなりに上昇する。車両の購入後にも大きな出費が控えていたので普通に考えると現状のエコカーになるが、気持ちはワンランク上の車両がどうしても欲しかった。自分の中で欲しいと思えば、その必要性を裏付ける理由を数多く挙げることができる。

 

日頃高い買い物には特に衝動を抑え客観的に考えて行動しようなどと言っているにもかかわらず、その場になるとなかなか衝動を抑えきれないものだ。理性と衝動との間を半年くらい揺れ動いた結果現在のエコカーに落ち着いた。

 

あれから3年経過してみるとあのときの衝動は何だったのだろうかと思う。燃費は購入以前に乗っていた車両の2倍以上に向上しガソリン代を気にすることはなくなった。あの時は駆られた衝動と見栄や体裁などを勝手に想定していたが、今考えると馬鹿馬鹿しいことに半年もかけたものだと思う。

 

売り手側は客の心理状態をよく理解しているのか、コスト高になるよう上手にリードしていた。

一般に物を購入して最も幸福感を味わうのは購入した瞬間だといわれる。今まで手にしていなかったものを新たに手にしたときである。

 

ところがその幸福感は時間が経てば日常的なものとなり次第に薄れる。車両は何年かすれば新型が発売され旧型による幸福度は一気に低下する。売り手側からすればこれは新たなニーズ喚起につながる。

 

所得と幸福度は相関なし

 

ブータンでは国の施策に国民総幸福量(GNH)を高めることを取り入れている。その要素は 1.心理的幸福、2.健康、3.教育、4.文化、5.環境、6.コミュニティー、7.良い統治、8.生活水準、9.自分の時間の使い方の 9 つである。

 

また 2011 年国連が公表した国別幸福度ランキングでは 1.デンマーク 2.ノルウェー3.スイス 4.オランダ5.スウェーデン 6.カナダ 7.フィンランドであり、国内総生産(GDP)1位のアメリカは 17 位、2 位の中国は93 位、3 位の日本は 43 位となっている。国民総幸福量の上位は北欧や北半球の北部に位置する国々であり、所得と幸福度には相関が見られない。

 

日本国内においても都道府県別に幸福度調査が行なわれた。2011 年法政大学大学院で行なわれた調査によると 1.福井 2.富山 3.石川 4.鳥取 5.佐賀、熊本 7.長野であり、最下位は 47.大阪であった。

 

上位の県に共通することは日本海側に位置し、東京から離れている。もの作りなど第 2 次産業が盛んで、就業や子育て支援が充実していることが要因として挙げられる。

 

幸福度測定は一律の測定基準がないので、単純に比較できないが、世界でも日本でも雪深く寒い地域に住む人のほうが幸福を感じているようだ。幸福度は所得とは相関がないが、雪や寒さとは相関があるかもしれない。家の中で家族と共に過ごす機会が多くなり、関連するイベントや地域文化が幸福を感じているのだろうか。

 

 

お金と幸福

 

幸福であるかないかは個人の主観に基づくもので、客観的には計れないと思われていた。最近ではポジティブ心理学の側面から科学的なアプローチがなされている。

 

その研究によると収入が 75,000 ドルまでは幸福度と比例関係にあるが、それ以上収入が増えても幸福度は高まらないという結果がある。日本円に換算して 750 万円は上場企業の中堅社員の年収であり、夫婦共働きでは稼げない金額ではない。

 

750 万円の年収があれば住宅、自動車、養育等ひと通り対応することができる。それぞれの物に対して更にお金をかけることはいくらでもできるが、幸福度はさほど高まらないということである。

 

住宅をブランドメーカーで作ろうが、名もない工務店で作ろうが住んでしまえば金額の多寡で幸福度が変わることはないだろう。

 

養育においても有名私立に入学しようが国公立に入学しようが、学校名だけで差が出ることは少ない。

研究では物より経験にお金をかけたほうが幸福感が継続するといっている。物は時間と共に劣化し新たな機能を備えたものが出現するなど常に比較されてしまうが、経験は比較がされないのでいつまでもその輝きを失わないということである。

 

海外旅行に 2 人で行けばハワイ 30 万円、アメリカ 40 万円、ヨーロッパ 60 万円と費用は異なるが、その経験は唯一であるからヨーロッパのほうがハワイより 2 倍楽しめることにはならない。その経験は生涯いつまでも色鮮やかに記憶に残ることになる。

 

経験に対しては支出しなかった後悔のほうが支出した後悔より大きく、物に対しては支出した後悔のほうが支出しなかった後悔より大きいといわれる。

 

旅行などの経験では晴天に恵まれることばかりではなく時にはアクシデントやハプニングもあるかもしれないが、それもまた幸せな記憶に残るものかもしれない。

 

ライフプランの優先順位

 

ライフプランのワークショップを行なうとキャッシュフローの貯蓄残高がマイナスになる場合がある。このマイナスを解消するためにはライフプランの見直しが必要になる。その際参加者から出されるアイデアは参加者自身の優先順位と思われる。

 

保険の見直し、車両買換えサイクルの長期化などの後に旅行の中止が出てくる。住宅取得や養育計画の見直しは相当後になるか出てこない場合もある。それだけ優先順位が高いところにある。

 

旅行は家族で行なう貴重な経験かもしれない。日常の経験は習慣の中で行なわれるので感動が少ないが、久しぶりの旅行は大きな感動を伴う。ところが目に見えなく価値も分かりづらいせいか簡単に削られることがある。

 

家族旅行はわざわざ遠くに行かなくても身近でもいくらでも経験することができるだろう。お金をかけずに経験することはいくらでもある。子供が小さいうちはどこへ行っても変わらないといえるかもしれない。

 

お金をかけずに家族で経験することはいくらでもあるが、家族のイベントに対して優先順位が低い傾向がワークショップを行いながら感じることがある。

 

家族のイベントには小学校までは地域の祭や行事、学校での運動会などがあるが、中学校に入ると急に少なくなる。それでも部活や習い事をしていれば試合や発表会などに家族が応援という形で参加することもできる。この間入学式や卒業式が大きなイベントとなる。

 

子供達が独立してそれぞれが仕事を持ち社会人として生活するようになれば、学生時代のようなイベントはもうない。あの時こういう物を買ってあげればよかったという思いはないが、あの時こんなことをしておけばよかったという思いは親として数多い。

 

長野日報土曜コラム 平成 26 年 1 月 25 日掲載

有限会社テヅカプラニング 手塚英雄

 

 

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