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86 種の保存

 

 

種の保存法

 

1992 年に環境省が制定した「種の保存法」の目的は、「野生動植物が、生態系の重要な構成要素であるだけでなく、自然環境の重要な一部として人類の豊かな生活に欠かすことのできないものであることに鑑み、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存を図ることにより、生物の多様性を確保するとともに、良好な自然環境を保全し、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする」と定めている。

 

人類にとって現在ある動植物は有効だから、現存する動植物を維持していこうという趣旨である。太古の時代か

ら動植物は環境に応じて生態を変化させ現在に至っている。すでに絶滅した動植物は環境変化に適応できなかっ

た結果である。

 

人類もまた猿から進化したものでこの地球上の環境に適応して現在存在している。現在最も進化し、適応能力

が高い動物といえるだろう。国が定める種の保存法は人類に都合の良い環境を維持しようとした法律のようだ。これは人類がこれからも生存し続けるための知恵によるものといえる。

 

昆虫を鳥が食べ、鳥を動物が食べ、その動物を人類が食べるという食物連鎖がある。人類が生存するためには他の動植物の命を奪っても良いことにしている。これに関して疑問視するところはない。食用として動物を殺すことは良いが、他の理由で殺すことには抵抗がある。

 

人類のエゴのように思えるが、他の動植物に遠慮して自分は食物を口にしない人はいない。人類が生存し続けるための行為は、遺伝子の中に組み込まれた絶対的なものである。生存し続け子孫を残すことがこの世に生まれた使命のようだ。

 

プラス・マイナスは種の保存に基づく

 

子供が生まれたとき、入学・就職したとき、結婚したときには「おめでとう」という言葉で祝福される。それが近親者あればなおさらだが、見ず知らずの家庭の出来事だとしても嬉しい気持ちになり、おめでとうと言いたくなる。

 

一方、人が亡くなったときは「ご愁傷さまです」、病気やケガで入院したときは「お見舞い申し上げます」という言葉がかけられ、悲しい気持ちになる。亡くなった者が病気の高齢者でなく突然の事故や事件で子供や若者が犠牲になれば、悲しみはより深く家族は一生心の傷を持ち続けることになる。

 

人の誕生、成長、結婚は種の保存から見ればプラス行為であり、事故、病気、死亡はマイナス行為である。プラス行為には自然と喜びが湧き上がり、マイナス行為には悲しみが湧いてくる。誰に教えられたわけでもなく、生まれつき人間には備わっていることである。

 

それらの行為は感情だけではなく、行動にも現れる。美味しいものを見ればよだれが出る。お腹が空いているときはたくさん食べたい。大好きな恋人に会えるならばどんなに遠くでも会いに行く。またどんなに長い時間を過ごしても飽きることはなく、更に一緒にいたくなる。

 

一方車を運転していて急な飛び出しがあればとっさにブレーキを踏む。握った物に熱さや痛みを感じたときはとっさに手を離す。口の中に異物が入ったら一気に吐き出すだろう。

 

種の保存にとって人の健康はプラスであり、病気、ケガ、痛みはマイナスである。人は種の保存のプラス行為には積極的に行動し、マイナス行為は避けようとする。考える前にとる無意識の行動である。

 

またそれは人の持つ感覚にも通じる。美しいもの、良い香り、心地よい音色、美味しいもの、優しい肌触り等はプラス、その反対に五感に不快なものはマイナスである。

 

人の持つ欲求には生理的、安全、所属と愛、承認、自己実現の5 段階あるが、全て「種の保存」のプラス行為に結びついている。健全な身体、安定した精神、安全な環境が種の保存には適している。

 

本能と倫理・道徳・知性

 

人には生まれつき遺伝子の中に組み込まれている種の保存に対するプラス・マイナス行為を本能ということができる。プラス行為だからといって何よりも優先して行動するわけではない。出産は種の保存の重要な行為であるが、思い立ったら誰とでもその行為ができるわけではない。生まれた子供が無事に成長できない場合を禁じている。

 

種の保存といっても自己保存より、人間全体の種の保存を優先していることになる。また、そのようなことを法律というルールで規定している。世界には一夫多妻制を認めている国があるかもしれないが、多くの国では一夫一婦制が当たり前になっている。子が成長し、人間として居心地の良い状態にしておかなければ、次世代の種の保存に悪影響を及ぼす。だからこのような規定作成し、破った者には罰を与えることとしている。

 

強盗は自己の利益を優先して他人の利益を奪う。自己保存から考えれば自分が生きるために十分あり得ることであるが、これが認められれば全体の生命や財産が危うくなるので、身勝手な行動として規制している。

 

自己保存と種全体の保存の間に競合する場合は、常に全体の保存が優先されることになる。これらを倫理や道徳という言葉で表しているようだ。

 

自殺は種の保存からみたらマイナス行為である。若者の自殺が注目されるが、割合からいったら高齢者の病気・経済苦による自殺が圧倒的に多い。これは自分は社会では役に立たない、存在が見出せない、他の者に迷惑をかけるという全体を優先した結果かもしれない。

 

罰を経験すれば多くの者は、二度と過ちを犯すまいと考えられるが、自分の事と同様に相手のこと、全体のことに気を配れば過ちは少なくなる。それが知性であり、他の動物と異なり人間には強く備わっている。

 

ライフプランは家族単位

 

種の保存というと、人間を含む動植物全てに共通することである。生殖活動による命の伝達と思われるが、日常の生活の中にも現れている。

 

個人のライフプランは一般的に就職、結婚、出産、養育、住宅取得、退職、相続などライフイベントが予定されている。夫々のライフイベントは人生の分岐点でもあるので考えた上での行動が求められる。

 

多くのライフイベントは支出に関わることだが、就職は収入に関わるイベントである。収入が多く仕事にやりがいが見出せれば心身ともに健康でいられる。種の保存からみたら、収入の多寡より心身の健康が求められる。

 

これまでは子として家族に属していたが、結婚により大人として家族を持つことになる。そのパートナーとなる相手探しは人生における最重要選択になる。夫婦により次世代の命を誕生させることができる。長い間ともに生活していくので、譲り合い、認め合え、居心地の良い関係が求められる。

 

住宅は人生で最も高い買い物になるが、価格も重要であるが、安心、安全、心地良さなどが優先される。

安心、安全は建物の構造に限らず地域、気候、風土も含まれる。心地良さは居住空間と共に家族関係に及ぶ。そこで得られた経験が子の人生に影響する。

 

退職すればこれまでの社会とは距離を置くことになる。人から頼られることが少なくなれば、自己の存在に疑問を感じるかもしれない。ネガティブ思考になればマイナス行為の減少に及ぶかもしれない。寿命が伸びた分セカンドライフの過ごし方は重要な課題である。

 

個人のライフプランは十人十色と言われるが、人間の本能は常に一定方向に向かっている。向かうべき方向に進めば楽しく、充実した人生になるだろうが、反対方向に進めば痛み、苦しみが伴うだろう。

 

種の全体保存を意識しつつ自己保存達成に向かっていくことが、個人、家族にとって有効で、社会に貢献することになる。

 

長野日報土曜コラム平成25年10月26日掲載

有限会社テヅカプラニング 手塚英雄

 

 

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