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長野日報新聞「土曜コラム」に掲載中のコラムです。ぜひお読み下さい。
平成26年
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平成30年
令和元年からのコラム
平成31年
53. 遺品整理
54. 死んだ後にやること
55. 地震リスクマネジメント
56. お墓
57. ラストメッセージ
58. 献体・臓器提供
59. 介護に備える
60. 葬儀業者
61. 結婚活動
62. 結婚しようよ
63. 結婚する前に
64. 夫婦の財布
平成23年
61 結婚活動
生涯未婚率
50 歳という年齢は男性にとって企業の中では定年まであと10 年を数えるが、出世組は幹部や役員に昇進し、その他の者は定年までを無事に過ごすことを考え始める頃である。子供は大きくなり高校、大学に通い最も養育にお金がかかる頃かもしれない。
女性は子供の大学進学により親離れを淋しく感じるとともに、人によっては更年期を迎え、体調不良を感じる年頃かもしれない。
そんな50 歳でこれまで結婚をしたことのない人の割合を生涯未婚率という。この歳まで結婚をしていなければ生涯独身でいるだろうと思われているひとつの指標である。この生涯未婚率が2005 年では男性16.0%女性7.3%である。この割合は年々高まっていることから現在では男性20%女性10%くらいになっているかもしれない。男性は5 人に1 人、女性は10人に1 人の割合で生涯独身であるということになる。
今から20年前までは生涯未婚率は女性のほうが高かったが、バブル崩壊後は男性のほうが高くなっている。生涯未婚率の高まりは少子高齢化とともに大きな社会問題であるが、時代とともに男と女の生き方が変わってきたことを表している。
おせっかい者の消失
今から30 年ほど前にヒットした曲にさだまさしの関白宣言がある。この歌の歌詞には男は外で稼いで、女は家事・育児を賢くこなし、結婚は実家を捨てて嫁いだのだから帰る場所はないというようなフレーズがあるが現在との違いを感じる。男が弱くなり、女が強くなったのか、社会に女性進出の機会が増えたのか、理由はともあれ男女の差がなくなりつつあることは確かである。
かつて結婚適齢期という言葉があり、男性26歳女性24歳といわれたときがあった。当時結婚は必ずするものであり、結婚しないという選択肢はなかったように思われる。適齢期に達すると恋愛、見合いを問わず結婚していた。
職場や地域には必ずといっていいほどおせっかい者がいて、若い男女を引き合わせる役割を無償で果たしていた。これまで何組を引き合わせたという実績が、その人の自慢話になっていた。そんな人の活躍により1980 年代では見合い結婚の割合が30%近くあったが、現在では6%くらいに減少している。
個人のプライバシーに配慮してかおせっかい者も姿を潜め、男女とも高学歴に伴い社会に入るのが遅くなり、平均初婚年齢は男性29.1 歳女性27.4 歳となっている。
かつて女性は結婚して会社を辞めることが当たり前のような時代があったが、現在は結婚しても会社を辞めることは少ないだろう。男性だけの収入では生活がやっていけないのか、女性のキャリアが重視されるようになったからであろう。
結婚相談所サイト
おせっかい者が姿を消し、代わって結婚支援に結婚相談所サイトが男女の引き合わせに一役かっている。直接結婚相談所事務所に行くのは抵抗があるとか時間がないとかの理由から、24 時間自分の好きな時間にアクセスできることから利用が高まっている。
結婚相談所サイトは大きく3 種類に分かれている。第一はマッチング型であり会員の希望する相手同士を紹介するシステムである。登録するデータとして年齢、職業、年収、学歴、住所などから相手を探す方法である。お見合いのセッティングを含め結婚相談所側で進めてくれるため、自分からアプローチをしなくて済むことになる。
第二は検索型といって会員登録後理想のタイプを自ら検索して交際を申し込むシステムである。マッチング型に比べ自分から積極的にアプローチしたい人に適している。
第三はパーティー型といってお見合いパーティーを通じて相手を見つける方法である。登録データだけでは分からないことが多いので、一度に多くの人と会って話すことが出来る。
各サイトの登録費用はマッチング型では入会金・初期費用約10 万円、月額活動費約1万円、検索型では入会金1 万円、月額活動費5 千円、パーティーはティーパーティーでは2 千円程度、アルコールが入ると5 千円以上、その他イベント内容により異なるが女性のほうが男性より割安に設定されている。
婚活はビジネス戦略
婚活とは結婚活動の意味であり、就職活動を就活と呼んだところからきている。会員登録の登録データからも分かるとおり年収、職業、容姿は選択基準の重要な要素となっている。結婚は自ら選択するだけでなく選択される立場にもあるので、自己表現も重要なポイントである。
まず結婚したいという強い意志を持つこと。そのうちに良い相手が現れたならばと思っているだけでは良縁にはめぐり合えない。そして恥ずかしいとか面倒くさいとか思う前に勇気を持って一歩を踏み出すことが必要であるといわれている。
結婚は将来相手と一緒に暮らすわけだから、最初の出会いから誠実であり嘘をつくことは禁物である。
相手から申し込まれた場合いい加減な態度をとらず、結婚できないと思ったら早めに断ることである。
見た目は大切であり清潔感や服装のセンスが影響する。パーティーでの会話では相手の話を聞くこと自分の趣味や現在取り組んでいることなどの話が出来ることが求められる。
理想のタイプにこだわりすぎると出会いが限定されるので、相手に求める条件の許容範囲を広げることが大切である。特に相手の年収はこれからの生活を考える上で大きな要素であるが、相手に求めるだけでなく求められる立場であることも認識する。
将来のパートナーを見つけることはビジネスで新契約を獲得することと同じようである。まずは自らのモチベーションを高め、ビジネスマナーをもとに相手のニーズを確認しながらこちらのシーズを提供する。提供先はなるべくこちらを高く評価してくれる相手を見つける。これはまさにビジネス戦略である。
結婚すること、独身でいること
国立社会保障・人口問題研究所によると結婚することにより、男女ともに「精神的な安らぎが得られる」「子供や家族を持てる」「愛情を感じている人と暮らせる」をメリットとしてあげられている。他に男性は「社会的信用が得られる」などもあげられている。
一方独身でいるメリットとしては、「行動や生き方が自由である」「経済的に裕福でいられる」「家族扶養の責任がなく気楽である」「広い友人関係を保ちやすい」などがあげられる。
かつて社会人になったら適齢期に達したら結婚は当たり前と考えられていたので、何故結婚するのか、結婚のメリット・デメリットなど考えることは少なかった。しいていえば男性は明かりの点いている部屋に帰宅できる、女性は経済的安定が得られるなどかもしれない。
ところが現在では女性一人でも働いていれば十分に生活していけるし、実家にいつまでもいることを親も否定しない。また男性も食事、洗濯、掃除など独りでも困ることはない。すでに学生時代に独り暮らしを経験して
いれば、通い先が学校から会社に変わった程度である。
社会問題である少子化対策としては結婚率を高め多くの子供が生まれることが望まれているが、結婚に対する社会的規範が壊れた現在では、結婚するには安定収入がなければならない、結婚すればこれまでと同じようにお金を使うことが出来なくなるなどと経済的側面ばかりが注目される。
これは分かりやすく納得も得られやすいが、これでは結婚に対してアクセルよりブレーキを踏みがちになるだろう。そんな経済的側面だけでなく誰にでも分かりやすい明るく希望のある結婚に対する意味を説明してくれるところはないのだろうか。
長野日報土曜コラム平成23年9月24日掲載
有限会社テヅカプラニング 手塚英雄
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