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長野日報新聞「土曜コラム」に掲載中のコラムです。ぜひお読み下さい。
平成26年
平成27年
平成28年
平成29年
平成30年
令和元年からのコラム
平成31年
113. 長期投資家は幸せ者
114. 選択制確定拠出年金
115. 持続的幸福感の増大
116. 幸福感を高める
117. 人生を明るく豊かにするポジティブ心理学
118. 明るく働き甲斐のある職場づくり
119. 日本的ポジティブ感情
120. 煩悩は常に悪とは限らない
121. バランス感覚は大事
122. 果報は自力で引き寄せる
123 こだわりは長所か短所か
124 年の初めの資産管理
平成28年
118 明るく働き甲斐のある職場づくり
職場にはストレスがいっぱい
大学新卒者の 3 割が 3 年以内に退職する実態がある。就職氷河期であれば希望する職種に就けず新たな選択を模索するかもしれない。しかし、現在は人手不足で学生優位の時代から希望する職種に就きやすいにも関わらず短期で退職する者は後を絶たない。
そんな状況を中高齢者はどのように見るのだろうか。いつまでも結婚せずに責任がないから気軽に辞めてしまう。学歴優秀者は勉強しか知らないので、世の中の厳しさを知らない。若年のうちは修行の身であり、勤続 10 年位すれば中堅管理職としてやっと自分らしさが表せるものだ、などと思っているかもしれない。
新卒者に限らず中途退職事由は以下のようである。「上司・経営者の仕事の仕方が気に入らない」「労働時間・労働環境が不満だった」「同僚・先輩・後輩と上手く行かなかった」「給与が低かった」などである。
圧倒的に人間関係による退職事由が目立つ。
人間関係のストレスからうつ病にかかる人もいるだろう。うつ病で退職すれば再就職は難しくなるので、ストレスに耐え、うつ病を抱えながら仕事を継続している人の数は計り知れない。
ストレスの原因のほとんどは人間関係のトラブルによるといっても良い。生まれも育ちも年齢も異なる者同士が上手くやれるはずがないと諦めてしまえば、集団で行う会社生活は成り立たない。
それならばいっそ独立を考えてみても、取引先、顧客、社員を雇えば新たな人間関係は生じる。人は生まれるときも死ぬときも、またその間も一人では生きられない。必ず人間関係は生じるので、人間関係によるストレス開放は永遠のテーマである。
職場活性化の方法
最近では社員同士、取引先との連絡の取り方は直接顔をあわせ、言葉を交わすより、文章で伝達することが多くなった。文章では主旨は通じても、その人の息遣いや体調、顔色などを察することはできない。
そこでかつての高度経済成長期に行われていたコミュニケーションである社員旅行、亡新年会、運動会などを取り入れる企業が増えてきた。従業員の家族を交えることにより、会社への理解を深めようとしている。
仕事上では見たことのない同僚の素顔に触れれば、これまでの印象が変わることがある。普段話す機会がない社員と親しくなれば、出社する楽しみが増える。
しかし、以前から好感が持てる人に対しては更に好感が高まるかもしれないが、嫌悪感を抱いている人には、その素顔を見ることで一層嫌悪感を深めることもある。
同一人物であってもある人には好感に思えても、別のある人には嫌悪に感ずることがある。明るいと思える人は反面お調子者で軽率者と映ることがある。一方性格が暗そうに思える人は慎重で仕事を着実にこなす人かもしれない。受け手の感じ方によりプラスもあればマイナスもある。
上司は思いつきでものを言うとなれば、部下は仕事に継続性が持てず、上司に振り回されていると感じる。反面上司は常に現状を注視し、これまでの方法に疑問を抱き、ためらいなく新たな方法を取り入れようとした結果かもしれない。
現状で満足している部下からは思いつき上司に映り、現状改善を望む部下からはひらめきがある上司に映るかもしれない。
よって、仕事以外にコミュニケーションの場を設ければ、職場が活性化するとは限らない。大切なのは受け手である感度をプラスにシフトしなければ職場の活性化は図れない。
ポジティブ心理学の導入
マイクロソフト、グーグル、米国トヨタの研修機関ではポジティブ心理学を導入している。具体的なカリキュラムや成果は不明であるが、職場の人間関係改善に役立つと思われる。
ポジティブ心理学の導入は社員のポジティブ(積極的、前向き)感情を高めることである。自分にとっていくつか良いことを振り返させる。通勤途上のこと、他部署の従業員とのあいさつ、仕事が納期に間に合いお礼の連絡を受けたことなどである。
普段は当たり前のように見過ごしていることでも注意深く観察すれば良いことはたくさんあるはずだ。良いことに関心を向けられるようになれば、次第にポジティブ感情が高まっていく。
上司や部下、同僚の悪いところに目を向けるのではなく良いところに目を向ければ、相手に対する言動が変わってくる。相手も同様に口うるさい部下と思っていたところが、頼りになると良いところを見出してくれる。ポジティブ感情は自分だけが良い気分になるだけでなく、周囲に伝染しやがて職場全体が明るくなる。
積極的、前向きの性格は反面お気楽、浅はか、思慮不足などを持ち合わせている。責任者から見れば会社経営はリスクが多く、景気の波にもまれ、同業他社とは食うか食われるかと厳しい環境の下にある。
職場は戦場のような場所で趣味活動やボランティアなどの利害の対立しない気の合う仲間のサークルではないといわれるかもしれない。働いてお金を稼ぐところなので、真面目で真剣であり和気あいあいの雰囲気を必要としないと考えるかもしれない。
常にトップダウンの支持に従い動くだけでは従業員にはストレスが溜まり、上司の機嫌を損ねないように振舞うことが保身につながると理解する。仕事はお金を稼ぐためと割り切り、組合を通じて賃金アップを要求し、責任のある仕事を避け、仕事以外の趣味で人生の充実を味わおうとする。
仕事上これまでにない障害が生じた場合、早期に白旗を揚げできない理由を考えるか、新たなチャレンジをワクワクしながら試してみようと考えるかは大きな違いである。
ポジティブ感情が高ければチャレンジ精神も高く、ピンチをチャンスと捉える柔軟性を備えるようになる。
また失敗しても立ち直る回復力が高いこともポジティブ心理学の実験で証明されている。
いかなる時も慣習にこだわり選択肢を狭めることは好ましくない。豊富なアイデアは常にポジティブ感情を高めておかなければ生まれてこないものだ。
会社を通じて社会貢献
もし一定時間出社していれば給与がもらえるならば、煩わしい仕事や新しい仕事を引き受けようとする人はいないと思われる。そして抱えている仕事ではいかに手を抜くかを考えるようになるだろう。
ところが仕事が自分の適性と関心に合致し達成可能な課題であれば、寝食を忘れ夢中になって取り組むだろう。そうすれば、相当の結果が期待できる。経営者は従業員全員がそうなって欲しいと願っているはずだ。
ポジティブ感情は個人の幸福感と密接に関係する。単に嬉しい、気持ちがよいという感覚だけでなく、時間を忘れて没頭するする状態もポジティブな状態である。仕事において没頭するポジティブ状態になれば想像を超えた成果を出すに違いない。
この没頭するポジティブ状態に成れるのは本人の適性と課題が合致した場合に生ずる。現場で際立った技能を持った職人が現場を統括するリーダーに相応しいとはいえない。技能を備えていなくても人心を上手にまとめ上げられる人がリーダーとなったほうが共に幸せである。
個人の持つ適性は遺伝や生育環境により既に形成されているので、適性に合わない仕事は本人にとって苦痛であり、会社としては大した成果は得られない。
ポジティブ心理学には知恵と知識、勇気、人間性と愛情、正義、節度、精神性と超越性の 6 大項目の中が 24 項目に分けられ強みを発見するテストが存在する。
これまでの経験を下に新たな配置を決めるのではなく、本人の強みを活かした配置転換ができれば成果の向上が大いに期待できる。
さらに自分の仕事が後工程の人のためという狭い視野ではなく、会社を通じて地域に社会にどのように役立っているかを知ることにより、没頭行為が自己満足から脱し、社会貢献と発展するだろう。
仕事が生きがいであると思える人は、本人が幸せであり、会社にとってもかけがいのない人財である。
長野日報土曜コラム 平成 28 年 6 月 25 日掲載
有限会社テヅカプラニング 手塚英雄
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